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Japanese

5月8日のG7首脳声明

EU News 105/2022

<日本外務省仮訳>

本日、5月8日、我々G7首脳は、ウクライナ及びより広い国際社会と共に、欧州における第二次世界大戦の終結と、計り知れない破壊や言い表せないほどの恐怖と人的被害をもたらしたファシズム及び国家社会主義の恐怖政治からの解放を記念する。我々は、何百万人もの犠牲者を悼み、西側連合国及びソビエト連邦を含む、国家社会主義体制を打ち負かすために究極の代償を払った全ての人々に対し、特に敬意を表する。

77年後、プーチン大統領とその体制は、主権国家に対するいわれのない侵略戦争として、ウクライナに侵攻することを今選択した。彼の行動は、ロシア及びその国民の歴史的犠牲を辱めている。2014年以降のウクライナへの侵攻とそこでの行動を通じ、ロシアは、第二次世界大戦後に将来の世代が戦争の惨禍を免れるよう考え出された、国際的なルールに基づく秩序、特に国連憲章を侵害してきている。

本日、我々は、ヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領の参加を得たことを光栄に思う。我々は同大統領に対し、ウクライナによる主権と領土一体性の勇気ある防衛と、我々の多くが今日享受している自由を伴う、国際的に認められた国境内での平和的で繁栄した民主的な未来のための戦いに対する、我々の全面的な連帯と支援を保証した。

ゼレンスキー大統領は、自国の主権と領土一体性を守るというウクライナの強い決意を強調した。同大統領は、ウクライナの究極の目的は、ロシア軍及び装備のウクライナ全土からの完全な撤退を確実なものとし、また将来的に自国を守る能力を確保することであると述べ、G7メンバーからの支援に謝意を表明した。この点について、ウクライナは、防衛力の領域における必要な支援の提供において、またウクライナ経済の迅速かつ効果的な回復を確実にし、経済とエネルギーの安全保障を確保する観点から、国際的なパートナー、特にG7メンバーを頼りにしていることを強調した。ウクライナは、実行可能な戦後の和平のための安全保障メカニズムに関し、国際的なパートナーとの間で議論を開始した。ウクライナは、ロシアによる全面的な侵攻、重要インフラの大規模な破壊、ウクライナからの輸出における従来の航路の混乱による課題に直面するウクライナのマクロ経済の安定への支援のため、G7メンバーと緊密に協力することに引き続きコミットしている。ゼレンスキー大統領は、人権及び法の支配の尊重を含む、我々の共通の民主的価値及び原則を守ることへのウクライナのコミットメントに言及した。

本日、我々G7は、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナが今自国を守り、将来の侵略行為を抑止することができるよう、ウクライナの自由で民主的な未来の確保を支援するための更なるコミットメントを行う用意が引き続きあることを再び保証した。この目的のため、我々は、ウクライナ軍に対する継続中の軍事及び防衛支援を追求し、サイバー事案からウクライナのネットワークを守ることへの支援を継続し、また情報セキュリティにおけるものを含む我々の協力を拡大する。我々は、ウクライナの経済とエネルギーの安全保障を強化するための支援を継続する。

国際社会と共に、我々G7は、戦争の開始以降、2022年及びそれ以降に向けたものとして、240億米ドルを超える追加的支援を資金面と物資面の両面で提供及び誓約した。我々は、今後数週間、ウクライナの資金不足の解消とウクライナ国民への基本的なサービスの提供を支援するため、我々の共同の短期的な資金支援を強化するとともに、ウクライナ当局及び国際金融機関と協力して長期的な復旧・復興を支援するための選択肢を策定していく。この観点から、我々は、国際通貨基金のウクライナのためのマルチドナー管理勘定の創設や欧州連合のウクライナ連帯基金の設立に関する発表を歓迎する。我々は、世界銀行グループのウクライナ向け支援パッケージ、欧州復興開発銀行の強靱性パッケージを支持する。

我々は、全てのパートナーに対し、ウクライナの人々と避難民に対する我々の支援に参加し、ウクライナの未来の再建を支援するよう呼びかける。

我々は、欧州の中心において極度の人道的大惨事を引き起こしている、ロシアによるウクライナへのいわれのない、不当かつ不法な軍事侵略と、一般市民及び民生インフラに対する無差別攻撃を改めて非難する。我々は、大規模な人命の喪失、人権侵害及びロシアの行動がウクライナにもたらした被害に愕然としている。

いかなる状況においても、一般市民や敵対行為に積極的に参加していない人々が正当な標的となることはあり得ない。我々は、プーチン大統領と、ベラルーシのルカシェンコ体制を含むこの侵略の立案者及び加担者に対し、国際法に従って彼らの行動の責任を取らせるための努力を惜しまない。この目的のために、我々は世界中の同盟国及びパートナーと共に引き続き協力していく。我々は、完全な説明責任を確保するためのあらゆる努力に対する支持を再確認する。我々は、国際刑事裁判所の検察官、国連人権理事会が委任した独立調査委員会及び欧州安全保障協力機構の専門家ミッションによるものを含め、これに関する調査及び証拠収集のための実施中の作業を歓迎及び支持する。

我々は、民主的に選出されたウクライナの地方当局を正当性のないものに置き換えようとするロシアの試みを更に非難する。我々は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害するこれらの行為を認めない。

我々は、この戦争に対するロシアの体制の責任を覆い隠そうとして、ロシアの人々を含む世界の一般市民を意図的に操作するロシアの偽情報戦略に対抗し続ける。

我々の前例のない協調した制裁のパッケージは、金融チャネルへのアクセスと目的を追求するための能力を制限することによって、既にロシアの侵略戦争を著しく妨げている。これらの制限的措置は、金融、貿易、防衛、技術、エネルギーといったロシアのあらゆる経済部門に既に相当な影響を及ぼしており、時間の経過とともにロシアへの圧力を更に強めていく。我々は、この不当な戦争に対し、プーチン大統領の体制に厳しく、かつ即時の経済的コストを課し続ける。我々は、各国の法的権限及び手続と整合的な形で、次の措置を講じることに共同でコミットする。

第一に、我々は、ロシアの石油の輸入のフェーズアウト又は禁止等を通じて、ロシアのエネルギーへの依存状態をフェーズアウトすることをコミットする。我々は、適時にかつ秩序立った形で、また、世界が代替供給を確保するための時間を提供する形で、これを行うことを確保する。その際、我々は、我々の気候目標と整合的な形で化石燃料への全体的な依存の低減及びクリーンエネルギーへの移行を加速することを含め、安定的で持続可能な世界のエネルギー供給及び消費者にとって手頃な価格を確保するために、共に、また、パートナーと共に取り組む。

第二に、我々は、ロシアが依存する主要なサービスの提供を禁止し、又は防止するための措置を講じていく。これは、ロシアの経済のあらゆる分野にわたってロシアの孤立を強化するものである。

第三に、我々は、世界経済とつながり、また、ロシアの金融システムの体系上重要なロシアの銀行に対し、引き続き行動をとっていく。我々は、既にロシアの中央銀行及び最大規模の複数の金融機関を標的にすることにより、ロシアがその侵略戦争への資金供給を行う能力を著しく減じてきた。

第四に、我々は、ロシアの体制によるプロパガンダの拡散の企てを撃退する取組を継続する。尊敬される民間企業であれば、ロシアの軍事機構を養っているロシアの体制と関連組織に収益を提供すべきではない。

第五に、我々は、プーチン大統領の戦争遂行の取組を支援し、また、ロシア国民の資源を浪費している金融エリートやその家族に対する我々のキャンペーンを継続し、また強化する。我々は、国家の権限と整合的な形で、追加的な個人に対する制裁を課していく。

我々は、国際的なパートナーとの協力を継続し、彼らに対し、我々を支持し、制裁の回避、迂回及びバックフィルの防止を含む同様の行動をとることで後に続くよう呼びかける。

プーチン大統領の戦争は、世界的な経済の混乱を引き起こし、世界のエネルギー供給の安全保障、肥料及び食料の供給、並びに世界のサプライチェーン全般の機能に影響を及ぼしている。最も脆弱な国々が、最も深刻な影響を受けている。我々は、世界中のパートナーと共に、この戦争の有害な影響に対抗するための取組を強化している。

プーチン大統領のウクライナに対する戦争は、世界の食料安全保障に厳しい負担をかけている。国連と共に、我々はロシアに対し、ウクライナの食料生産や輸出を更に阻害する封鎖やその他のあらゆる行動を、ロシアによる国際的なコミットメントと整合的な形で終わらせることを要求する。その不履行は、世界の食料供給に対する攻撃と見なされることとなる。我々は、ウクライナが次の収穫期を見据えた生産を継続し、代替ルートによるものを含めた輸出を継続することを支援するための努力を強化する。

我々は、国連グローバル危機対応グループへの支援として、機運と協調を確保するための我々の共同イニシアティブとしての食料安全保障のためのグローバル・アライアンスやその他の取組を通じて、世界の食料危機の原因と影響に対処する。我々は、食糧農業強靱化ミッション(FARM)や、アフリカ及び地中海の国々に向けたものを含む主要な地域的なアウトリーチ・イニシアティブなどといった様々な国際的なイニシアティブで計画されているように、政治的コミットメントを具体的な行動に移すという目標の下、G7以外の国際的なパートナー及び組織と緊密に協力する。我々は、我々の制裁パッケージが人道支援の提供や農産物の貿易を妨げないよう、慎重に対象を絞ったものであることを改めて強調するとともに、最も脆弱な人々に影響を与えるような食料の輸出規制を回避するという我々のコミットメントを再確認する。

G7とウクライナは、この困難な時期に、ウクライナの民主的で繁栄した未来を確保するための努力において結束している。我々は、プーチン大統領がウクライナとの戦争に勝利することがあってはならないという決意の下に引き続き結束している。我々は、第二次世界大戦の際に自由のために戦った全ての人々の記憶に対し、ウクライナ、欧州及び国際社会の人々のために、今日も自由のために戦い続ける責任を負っている。