EU離脱に関するメイ首相の演説を受けたバルニエ首席交渉官の声明
<日本語仮抄訳>
英国の欧州連合(EU)脱退交渉におけるEU側の首席交渉官であるミシェル・バルニエは本日、以下の声明を発表した。
「英国のテリーザ・メイ首相は、フィレンツェにおける演説の中で、建設的な精神を表明した。これは、この比類のない交渉におけるEUの考え方でもある。
最も重要なのは時間であり、首相の演説は、前進する意思を示すものである。われわれは、2018年秋までに、英国のEUからの秩序ある脱退の条件に合意しなければならない。英国は2019年3月30日より、域外国となる。
われわれの優先事項は、市民の権利を保護することにある。英国に暮らす、同国を除くEU加盟27カ国の市民は、英国市民が現在EU内で享受するのと同じ権利を有しなければならない。欧州理事会および欧州議会でも思い起こされたように、これらの権利は、英国内において、EU域内同様に効果的に実施され、保護されなければならない。メイ首相の発言は一歩前進であるが、その言葉は英国政府の詳細な交渉立場に落とし込む必要がある。
アイルランドについては、英国は北アイルランド紛争に関する「聖金曜日協定(ベルファスト合意)」の共同保証者である。本日の演説には、英国がEUを脱退することによる、アイルランドに対する特別な責任をどのように果たすのか、明示されていない。われわれの目標は、和平合意の全ての側面と、EU単一市場と関税同盟の完全性を維持することにある。
英国は、自国の脱退により、どのEU加盟国も支払い金が増えたり受給金が減らされたりすることはない、と認識している。われわれは、この公約の具体的な意味合いについて、協議する用意がある。われわれは、EU28加盟国がコミットしたことに基き、この約束が、EU加盟国としての英国の義務の全てを含むかどうかについて、精査する。
本日初めて、英国政府は現条件に基く単一市場へのアクセスの恩恵を受け続け、安全保障における既存の協力体制の恩恵も受け続けたいとの要望を表明した。これは、同国のEU脱退期日、すなわちEUの諸機関からの離脱から2年という限られた期間におけるものである。
もしEU側が望めば、この新たな要望を考慮に入れることは可能だ。この要望は、『もしEU法体系の時限的な延長が検討される場合、これには既存のEUの規制上、予算上、監督上、司法上および施行上の措置と仕組みの適用が必要になる』とした、2017年4月29日採択の欧州理事会指針に照らして検証されるべきである」
Twitter: @EU_Commission