ウクライナに関する欧州理事会(2022年5月30日)の結論
<日本語仮抄訳>
1. 欧州理事会は、ロシアのウクライナに対する侵略戦争を断固として非難する。また、ロシアに対し、民間人および民間インフラへの無差別攻撃の即時停止ならびに国際的に承認されている国境内のウクライナ全土からの全ての軍隊および兵器の即時かつ無条件の撤退を求める。ロシア軍が行っている残虐行為やそれにより被った苦しみや破壊は言語を絶する。欧州理事会はロシアに対し、人道的なアクセスおよび当事者となっている全ての民間人の安全な通行を許可することを求める。欧州理事会は、捕虜の待遇に関するジュネーブ条約など、国際人道法が完全に順守されることを期待する。また、ロシアに対し、同国に強制移住させられたウクライナ人の安全な帰還を直ちに許可することを求める。
2. 欧州理事会は、ウクライナ国民の勇気や決意、また彼らが自国の主権、領土の一体性および自由を守るために先頭に立って戦っていることを称賛する。欧州連合(EU)は、ウクライナがロシアの侵略に対する自衛という固有の権利を行使し、平和で民主的かつ繁栄する未来を構築することを支援するという決意において揺るぎない。これに関して、EUは、引き続き国際パートナーと緊密に連携していく。
<中略>
制裁措置
4. 欧州理事会は、ロシアのウクライナに対する戦争を失敗に終わらせるため、ロシアおよびベラルーシに対する圧力を強める決意である。欧州理事会は、全ての国に対し、EUの制裁措置に協調することを求める。制裁を回避する、または、その他の手段によりロシアを支援するいかなる試みも停止すべきである。
5. 欧州理事会は、EUの第6弾の対ロシア制裁において、パイプラインで供給される原油に関する一時的な例外措置を設けた上で、ロシアからEU加盟国に供給される原油および石油製品を対象とすることに合意した。
6. そのため、欧州理事会はEU理事会に対し、良好に機能するEU単一市場、公正な競争、EU加盟国間の連帯およびロシア産化石燃料への依存の段階的な解消においても公平な競争環境の確保を確実にする、同制裁措置を速やかに取りまとめ、採択するよう求める。突然の供給停止が生じた場合には、供給の安定を確保するため、緊急措置を導入する。これに関して、欧州委員会は、EU単一市場における公正な競争環境および供給の安定を確保するため、こうした制裁措置の実施を監視し、EU理事会に定期的に報告を行う。