EUの人口は今や5 億人を超え、EUはすべての欧州市民に平和、繁栄および自由を保障するとともに、平和構築開発援助などを通じ、世界の平和と安定に積極的に貢献することを目指しています。 

EUの主な機関・シンボル

EUはその運営や法律制定のためのさまざまな機関を有しています

以上を実現するため、EUはその運営や法律制定のためのさまざまな機関を有する。主なものは以下の通り。 

EUの法律は、原則的に欧州委員会が原案を提示し、EU理事会と欧州議会が検討・審議して策定される。 

なお、欧州委員会には各加盟国から1人の委員(大臣に相当)がいる。欧州委員会の各委員の氏名や担務などに関する日本語の情報はこちら 

また、EUには「旗」、「歌」、「記念日」、「標語(モットー)」の4つのシンボルがある。「欧州旗」は青地に円環状に配置された12個の金色の星で構成され、欧州議会や国際会議等の公式の場で掲揚される。「歌」はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」の主題部分であり、「記念日」は欧州の平和と統合を祝う「ヨーロッパ・デー」が5月9日に制定されている。EUの「モットー」は「多様性の中の統合(United in diversity)」で、多くの主権国家、言語、文化をそれぞれ尊重しながら統合を進める欧州の理念を示している。 

EUについてより詳しく知るにはこちら:『欧州連合(EU)を知ろう』 

※ 欧州議会、欧州理事会、欧州連合(EU)理事会、欧州委員会に関して詳しく説明したEU MAGの記事は下記。 

EUの歴史

EUの根底にある欧州統合の考えは、第二次世界大戦後に生まれました

欧州は、何百年もの間、幾度となく戦争の悲劇に見舞われてきた。近代に入ってからは、その多くの場合、対立の中心にはフランスとドイツがいた。その繰り返しに終止符を打とうと、1950年5月9日、当時のフランス外相のロベール・シューマンは、石炭と鉄鋼という、当時、あらゆる軍事力の基礎となっていた産業部門を共同管理する、超国家的な欧州の機構の創設を提唱した。この演説は後に「シューマン宣言」として知られるようになり、現在の欧州統合の出発点となった。 

1952年、シューマンの考えに賛同したフランス、西ドイツ(当時)、ベルギー、イタリア、ルクセンブルクおよびオランダが欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立した。その後、平和と和解に留まらない、欧州統合の政治的・経済的意義も徐々に認識されていった。「共通市場」を擁する欧州経済共同体(EEC)の創設以後、いくつもの基本条約の改定と加盟国の増加を経て、単一市場を完成させ、共通の通貨ユーロを有する現在のEUに至る。 

現在のEUは、2009年12月発効のリスボン条約により意思決定手続きがより効率的になり、外交政策もEU外務・安全保障政策上級代表(外務大臣に相当)の下で一本化され、欧州対外行動庁EEAS)も設立された。21世紀の国際舞台でEUはその人口と経済力に見合う役割を果たすため、積極的に活動している。 

EUの政策概要

EUは60年余りにわたり、拡大を続けてきています

EUの今日の取り組み 
統合の道を歩み始めてから、EUは数多くの成果を挙げてきた。域内国境の廃止など欧州内の政策的取り組みのほか、人道援助や共通外交・安全保障政策(CFSP)を通じて、自らがこの70年近くにわたり享受してきた平和と繁栄を世界にももたらそうとしている。 

EUとその加盟国を合わせると、EUは世界最大の開発援助提供者である。さらにEUは、その諸機関と加盟国を合わせると人道援助の世界最大の提供者でもあり、地震や洪水など世界各地の大災害への迅速な緊急援助のほか、紛争や干ばつなどの被害に遭った人々に対しより息の長い支援も行っている。また、軍事的・非軍事的政策双方を併せ持つ共通外交・安全保障政策(CSDP)を通じて、EU部隊を派遣し、軍事的な行動のほかに警察・法制度・文民行政などの強化といった、紛争後の平和構築活動を行う。 

EUは、その経済的規模を十分に活用し、通商政策環境政策・エネルギー政策など、さまざまな分野で積極的に発言・行動している。特に、2013年3月には日本と包括的な自由貿易協定(FTA)を目指し、交渉を開始した。 

EUは60年余りにわたり、拡大を続けてきている。1952年に6カ国で発足した欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)は、その後何度にもわたり拡大してきた。自由、民主主義、人権および基本的自由の尊重、加盟国共通の法の支配の原則を尊重する欧州の国であれば、どの国でも加盟を申請することができる。加盟条件は、1993年の「コペンハーゲン基準」として原則化されている。拡大に関する日本語の情報はこちら。 

ユーロと単一市場

EU加盟国間では、人、物、サービスおよび資本がそれぞれの国内と同様に、国境や障壁に妨げられることなく、自由に移動することができます

ユーロ、経済通貨同盟と単一市場 

単一市場の創設は、EUの最大の成果の一つです。EU加盟国間では、人、物、サービスおよび資本がそれぞれの国内と同様に、国境や障壁に妨げられることなく、自由に移動することができます。EU市民は、EU内のどの国においても、居住し、働き、学び、隠居することができます。こうした移動の自由は、シェンゲン協定によって担保されています。EU加盟国22カ国と非加盟の数カ国は、シェンゲン協定の下、域内国境の廃止に合意しています。EU市民、そして多くのEU域外国の人々が、シェンゲン圏内を自由に移動できます。 

また、単一市場は、2002年に導入され、現在、EU19加盟国(ユーロ圏)で使用されているEUの通貨、ユーロによって支えられています。加盟国は、ユーロの導入にあたっては、物価の安定や健全な財政管理といった一定の基準を 満たさなくてはなりません。欧州中央銀行は、金融政策を実施し、欧州の金融システムの安全と健全性を確実にするよう、ユーロ圏内の銀行を監督する責務を担っています。ユーロ硬貨には、各国共通のデザインが施されている面と、発行国独自のデザインが施された面とがあります。 

ユーロは次の国々で導入されています。 

オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロヴァキア、スロヴェニア、スペイン 

ユーロ紙幣のデザインは? 

7種類の紙幣: 5、10、20、50、100、200、500ユーロ 

ロ紙幣

この7種類の紙幣には、ユーロ圏で共通のデザインが用いられています。欧州の歴史における建築様式の発展を、人と人をつなぐ「窓」と「橋」という図柄によって表現しています。 

ユーロ紙幣に関する詳しい情報はこちら(英語)をクリックしてください。 

ユーロ硬貨のデザインは? 

8種類の硬貨: 1、2、5、10、20、50ユーロセント、1、2ユーロ 

ユーロコイン

硬貨の片面には各国共通のデザインが描かれ、EUの加盟国間の結束を表しています。共通デザインは、硬貨の種類によって 異なります。1、2ユーロ硬貨および10、20、50ユーロセントの硬貨には、2004年5月1日の拡大以前のEU の地図もしくは、2007年1月1日以降に発行された硬貨の場合は、欧州大陸全体の地図が描かれています。1、2、5ユーロセント硬貨のデザインは、地球 上の欧州の位置を、アジアやアフリカとの関係において表したものとなっています。もう一方の面には、各国が選んだ独自のデザインが施されています。ただ し、どの国のデザインの硬貨であっても、すべてのユーロ参加国で使用できます。 

ユーロにはどのような利点があるのですか? 

ユーロ圏内を旅行する時 

単一通貨ですから、両替は1回で済みます。たとえばイタリアで美術館へ入館する場合、ギリシャで使い切れなかったユーロ硬貨がそのまま使えます。また、フランスでの食事代をスペインのキャッシュディスペンサーから引き出したユーロ紙幣で支払うことも可能です。このように、両替に費やす時間と手数料が節約できます。 

ユーロ圏内で買物する時 

商品の価格が同一の通貨で表示されるので、価格の比較が容易になり、賢い選択の助けとなります。 

ユーロ圏内とビジネスを行う時 

各国通貨間の為替変動リスクがありません。金利およびインフレ率が低くなります。 

より大きく、競争力のある市場の中で、取引や資金調達ができます。 

事業経営が、より簡単で経済的に行えます。 

EU外務・安全保障政策上級代表

外交問題においてEUを代表するのは外務・安全保障政策上級代表です

世界の中のEU――外務・安全保障政策上級代表​ 
欧州連合(EU)の外交政策は、民主主義、法の支配、人権、人間の尊厳の尊重、平等、および国連憲章や国際法の原則の尊重といった、EU創設の原動力となった諸理念に基づいています。 
 
外交問題においてEUを代表するのは外務・安全保障政策上級代表です。EUの外務大臣にあたるこの職に現在就いているのは、ジョセップ・ボレルです。 

上級代表は、EUの外交・安全保障政策、すなわち共通外交・安全保障政策(Common Foreign and Security Policy=CFSP)と共通安全保障・防衛政策(Common Security and Defence Policy= CSDP)の調整および実施の責任を与えられています。 

その職務範囲は広く、EU内で外交政策に関するあらゆる職能を一つに束ねるため、上級代表は欧州委員会の副委員長も兼務します。上級代表の職務には次のものが含まれます。 

  • EUを代表して外交の舵取りを行う 
  • 開発援助通商人道援助および危機対応といった、EUの外交政策ツールの調整を図り、地政学的な展開について、欧州委員会に報告する 
  • EUの外交の舵取りを行う欧州理事会で加盟国の首脳との会合に出席する 
  • EU外交政策に関する加盟国の意見をまとめ、月例のEU外務理事会(外相会議)の議長を務める 
  • 国連等の国際的な場でEUを代表する 

上級代表を補佐するのがEUの外務省にあたる欧州対外行動庁(EEAS)で、同組織にはEU職員のほか、各加盟国の外務省の専門家も働いています。本部はブリュッセルにあり、世界各地に代表部(大使館に相当)を置いています。そのうちの一つが東京にある駐日EU代表部です。 

※ 欧州対外行動庁(EEAS)に関して詳しく説明したEU MAGの記事は下記。 

平和構築 (共通安全保障・防衛政策〈CSDP〉)

EUは、かつて戦い合っていた国々をまとめることにより、持続的な平和を築いてきました

平和構築 

「私は平和な土地を夢見た全てのヨーロッパ人、そして日々その夢の実現に取り組んできた人々に対して敬意を払いたい 」――ヘルマン・ヴァンロンプイ前欧州理事会議長は2012年のノーベル平和賞受賞に際し、EUを代表してこう発言しました。 

欧州連合(EU)は、かつて戦い合っていた国々をまとめることにより、持続的な平和を築いてきました。世界の舞台においても平和構築と繁栄、そして紛争解決に尽力しています。取り組まなければならない今日の複雑な安全保障問題を認識し、政策や対応を状況に合わせて調整しながら、短期と長期にわたり人道、開発、安全保障および政治といった幅広い側面で危機に対応しています。この包括的アプローチはEU独自の強みの一つであるのです。 

EUの共通安全保障・防衛政策(CSDP)の能力および経験は30の文民・軍事ミッションにより、20年という長い時間をかけて発展してきており、その要請は増え続けています。EUは、国連、北大西洋条約機構(NATO)、アフリカ連合、欧州安全保障協力機構(OSCE)そしてパートナー国と連携して活動しています。文民・軍事能力に関する目下の目標は、変化しつつある安全保障環境を反映しています。 

紛争予防 

EUの紛争予防には以下の活動が含まれます。 

  • 武力衝突のリスクの早期判別 
  • 紛争状況に対する理解の向上(根本原因、当事者、力関係) 
  • EUの行動に関する選択肢のより適切な特定 
  • 紛争を意識した対外援助の立案 

仲裁と協議 

仲裁はEUの現場予防外交の一つであり、紛争予防と紛争地域における平和構築に大変重要な役割を果たしています。EUは独自の仲裁支援能力を展開してきました。[Concept on Strengthening EU Mediation and Dialogue Capacities adopted in November 2009

EU特別代表はEU代表部やCSDPミッションと共に仲裁を行います。内容としては、高官級の政治的仲裁会議から政治仲介や信頼醸成に至ります。また、EUは、特にInstrument for Stabilityを通して草の根レベルの市民社会団体とも協力しています。 

日本との協力 

確立した日本との政治的および戦略的な対話とともに2010年以来、防衛省や一般幕僚との間で安全保障、防衛、CSDPの分野における定期的な協議が持たれています。高官級の接触も定期的に行われており、パトリック・ドゥ・ルージェEU軍事委員会(EUMC)常任議長が来日しました。 

2014年10月、ソマリア沖でアタランタ作戦を展開しているEU海軍部隊(EU NAVFOR) と自衛隊が、アデン湾において初の海賊対処合同活動を行いました。EU NAVFORアタランタのイタリア海軍駆逐艦「アンドレア・ドリア」と日本の護衛艦「たかなみ」が率いたこの合同活動は、通信、戦術運動、空中作戦 、および立ち入り検査などの演習を通して、両者間の相互運用性と相互理解をを高めることを目的としました。 

通商

対外貿易と投資はEUにとって重要な意味を持ちます

EUの通商政策 

対外貿易と投資はEUにとって重要な意味を持つ。貿易は、EU域内外における長期雇用の創出につながるという意味において、世界全体の成長の原動力であり、欧州と貿易相手国の人々や企業の日常に実質的な影響を及ぼすものでもある。 
 
世界貿易におけるEUの地位 
グローバル貿易に関しては、EUは世界をリードしている。開かれた貿易制度のおかげでEUは世界貿易の最大の担い手として、2015年には世界の物品貿易の14.8%とサービス貿易の22.2%を占め、良好な貿易相手であり続けている。さらに、世界の総GDPの2割以上を占め、5億人超の人口を有するEUは、世界最大の経済規模を誇り、最も高い収益を期待できる消費市場である。また、世界第2位の投資元でもある。 
 
EUの通商政策の目標 
世界全体に公正かつオープンな貿易制度を構築する 
世界貿易機関(WTO)は、貿易に対して開放的な国際経済を保ちつつ、開発途上国のニーズや懸念を勘案し尊重するような国際貿易ルールの構築に貢献してきた。WTO下の多数の協定や義務により、貿易の開放性、予見性、公平性が確保されている。EUの通商政策は、この世界貿易制度を保ち、かつ変化の激しい世界に確実に適応させることに取り組んでいる。 
 
主要なパートナー諸国とともに市場開放を図る 
EUは、他地域との貿易機会を増やすことにより、欧州市民に成長と雇用の機会をもたらすことを目指している。市場開放を実現する一つの方法は、自由貿易協定(FTA)(経済連携協定〈EPA〉)を通じて貿易や投資へのアクセスおよび条件の改善に向けた交渉を行うことである。EUはすでに複数の国とFTAを締結しており、米国(環大西洋貿易投資パートナーシップ)や日本をはじめ他の国々との交渉を続けている。 
 
EUはさらに、WTO政府調達協定や新サービス貿易協定など、さまざまな多角的協定に加盟しているとともに、いくつかの協定について交渉中でもある。 
 
貿易相手による規則遵守を担保する 
EUの通商政策は、貿易相手の市場への障壁を除去することにより、欧州の輸出業者、労働者、投資家に対して新たな市場を開くことを目的としている。EUは、輸出業者が直面している慢性的な問題を解決し、欧州企業が域外の調達市場への平等なアクセスを確保する機会を増やし、欧州製品の偽造・著作権侵害行為を減らし、欧州企業による投資機会を開拓するために、EU域外の国々と緊密に協力している。 
 
国際貿易ルールは貿易の公平性を担保することを目的としているため、その遵守が極めて肝要となる。従って、大半の貿易協定には、その遵守を確実にし、紛争があった場合にはそれを解決できるよう、紛争処理制度が盛り込まれている。 
 
貿易を持続可能な開発の力として活用する 
EUは、世界中の人々が対外貿易により貧困から脱却できるよう、積極的に支援していくことに力を注いでいる。欧州は、最貧諸国からのあらゆる輸入品に対して市場を開放しており、途上国が貿易を活用していくのに必要な能力を構築できるよう、積極的に協力している。 
 
EUはまた、環境保護と地球温暖化阻止への取り組みを支援し、途上国における労働条件改善に尽力し、そして、EUが輸出入する製品については極めて高いレベルの衛生基準および安全基準を保持する、といったその他の重要な国際目標達成に向けた努力を強化するためにも、通商政策を活用している。 
 
EUの通商政策はどのようにして策定されるのか 
通商政策はEUの専権分野である。すなわち、貿易に関わる法律を策定し、国際的な貿易協定を締結する権限を持っているのは個別の加盟国ではなく、EUのみである。 EUの専権分野には、物品およびサービスの貿易、知的財産権の商業的側面および外国直接投資も含まれる。また、通商政策と関連する運輸や資本の移動など、その他の分野についてもEUが権限を専有している。 
 
欧州議会は、通常の立法手続きに則り、EU理事会と共同でEUの通商政策の枠組みを決定する。発議権は欧州委員会が持つが、同委員会が提出する法案が採択されるためには、共同立法機関である欧州議会とEU理事会の間の合意が必要である。国際協定の場合は、欧州議会が承認を与えた後、EU理事会が採択する。 
 
有益なリンク 
欧州委員会通商総局EU 貿易・投資統計年鑑 2021

環境、気候変動およびエネルギー

EUの環境政策の目的は、現在および未来の世代のために、環境を保護し、保持し、改善することにあります

環境政策 

欧州連合(EU)の環境政策の目的は、現在および未来の世代のために、環境を保護し、保持し、改善することにある。この目的を達成するために、EUは、EUにおける高いレベルの環境保護を確保し、EU市民の生活の質を保持する政策を提案している (環境アクションプログラム2020)。 

またEUは、EUにおける環境保護に寄与するプロジェクトに対して資金援助をしている。1992年以来、2,600件余りのプロジェクトがEUの環境における財政支援策であるLIFEプログラムからの支援を受けている。 

気候変動 

危険な気候変動を食い止めることは、EUにとって、戦略的な優先事項である。欧州は温室ガスの排出を削減することに取り組んでおり、また他の国や地域に対しても同じ努力をすることを推奨している。 

EUは長年にわたり、気候変動における国際交渉の先導的な役割を果たしてきており、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)の発展に寄与してきた。EUおよび他の積極的な国々からの働きかけによって、国際連合では、あらゆる国を網羅して、この10年の残りの期間における世界中の温室効果ガスの排出を大きく削減するための交渉が進められている。その目的は、地球の気温の上昇を産業革命前の時代と比べ2℃以下に抑えることである。それまでの国際的な気候制度に至るまでの過渡期として、EUは、2013年から2020年までの期間、京都議定書の第二期間に参加している。 

EU域内政策としては、EUの指導者たちは欧州をエネルギー効率の高い、低炭素経済社会に変革させることを決意している。EUは2050年に向かって段階的に温室ガスの排出を削減するという目的を設定し、その目的に達するように努力している。この観点から、2009年の「気候およびエネルギーパッケージ」は、「20-20-20」目標と呼ばれる、2020年に向けての次の重要な3目標を掲げているーー①1990年レベルに比べ、EUの温室ガスの排出を20%削減する、②再生可能エネルギーから創出されるEUエネルギー消費の割合を20%に増大する、③EUにおけるエネルギー効率を20%改善する。 

2020年に向けてのこれらの気候およびエネルギー目標に到達するために、EUは着実に歩みを進めているが、投資家に対して、規制の枠組みを確かなものとし、EU加盟国のそれぞれのアプローチを調整するには、2030年に至るまでの統合された政策枠組みが極めて重要となる。それゆえ、2014年10月23日、欧州理事会は、4つの目標値を含む、気候およびエネルギー政策枠組みを採択した。まず、EUは2030年までの、1990年比の排出削減目標を40%に設定した。さらにこの新政策枠組みでは、2030年までに、エネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を27%、またエネルギー削減を27%増加することを目標としている。加えて、域内エネルギー市場を改善するために、加盟国間のエネルギーの相互接続の割合を15%増大させることも目指している。「2030気候およびエネルギー政策枠組み」は、すべての消費者に潤沢なエネルギー供給を保証し、EUのエネルギー供給の安全性を増大させ、エネルギー輸入への依存を削減し、成長と雇用への新たな機会を創造するために、競争力のある、確実なエネルギー制度を構築することを目指している。 

欧州エネルギー安全保障戦略 

ウクライナの政治危機および欧州市民や経済にとってのエネルギーの安定かつ豊富な供給の総合的な重要性に対応すべく、欧州委員会は2014日5月28日に「EUエネルギー安全保障戦略」を発表した。この戦略はEU加盟国のエネルギー依存状況の詳細な調査に基づいている。 

短期的施策としては、ガス供給途絶のシミュレーションを行うべく、欧州委員会がエネルギー安全保障ストレステストを実施した。 

短期に加えて中長期的な供給の課題に対応するため、次の5つの重点的分野においてエネルギー安全保障に関する行動計画が提案されている。 

  • エネルギー効率を高め、提案されている2030年に向けたエネルギーと気候変動政策の目標を達成する。 
  • EU内エネルギー生産を増加し、またエネルギー供給国および供給経路を多様化する。 
  • 域内エネルギー市場を完成させ、インフラネットワークの不足部分を補強する。 
  • 対外エネルギー政策においては一つの声をもって対応する。 
  • 非常事態対応および支援の体制を強化し、インフラの要所となる部分を保護する。 
再生可能エネルギー

人権

人権は、普遍的なものです

域内外で人権、民主主義、法の支配を促し、守ることは、EUの基本原則です。 

人権は、EUの設立条約で謳われており、EU基本権憲章およびリスボン条約によってさらに強化されました。EUは、全市民の基本的権利を擁護することを明言しています。 

EU域外において、EUは、国連憲章および国際法の原則に準拠して、人権を促進しています。EUは、30カ国以上の国と人権に関する定期的な対話を持っています。各対話で話し合われる案件は、ケースバイケースで決定されますが、初期の民主主義への支援、拷問に対する闘い、性別、民族、宗教、性的指向を理由とするあらゆる形態の差別の排除、子どもと女性の権利の促進、死刑制度の廃止、表現や宗教の自由等の市民的自由の擁護、人身売買に対する闘い、市民社会の役割の向上といった案件は定期的に扱われています。これらの対話には、関連省庁、警察・刑務当局、オンブズマン、国内議会などからの代表者が参加しています。 

残念なことに、人権の尊重は、当然享受できるものと見なすことはできません。ゆえに、EUは、人権擁護を支援するプログラムへの世界最大級の援助資金提供者であるのです。EUは、不可欠である自由と民主主義を促進する人々を支援し、「擁護者を擁護する」活動を行っています。今日、EUは、基本的権利に関する国際的な議論で、最も重要で効果的な声を発することのできる担い手の一人になっています。 
  

EU MAG関連記事「世界の人権擁護をリードするEU」 

人権

EUと死刑制度

EUは、自由、民主主義、人権尊重の原則の上に成り立ち、27の全ての加盟国が共通の価値を共有しています

この観点から、EUは、世界のあらゆる国での死刑制度の廃止を目指しています。 

EUはその人権政策の一環として、全世界で死刑制度を廃止するか直ちにモラトリアム(死刑執行停止)を導入するよう呼びかけています。死刑制度が存置されている国に対しては、EUは、人間の尊厳が保たれるようにするため、次の最低基準を遵守するよう働きかけています。 

  • 死刑は、非常に重大な犯罪にのみ適用すること 
  • 死刑は、18歳未満の青少年には適用しないこと 
  • 被告人が法的弁護を受けられる公正な裁判が行われること 
  • 死刑を宣告された者が、異議申し立てを求める権利を与えられること 
  • 死刑は、可能な限り最小限の苦痛を伴う方法で執行されること 

EUは、デマルシュという外交的な働きかけや人権に関する報告書の作成、市民的および政治的権利に関する国際規約の第二選択議定書の批准を各国に呼びかけるといった方法で、死刑制度廃止を求めています。また、公正で、差別のない法制度の確立を導くために協力するイニシアティブも取っています。 

死刑廃止に向けた世界的な運動 

EUは、2008年以来、「欧州の死刑廃止デー」を共催しており、それは毎年10月10日、世界の死刑廃止デーと同じ日になっています。 

EUは、死刑廃止を呼びかける国連総会決議を共同提案しており、それに賛同する国は年々、増えています。2014年12月18日には、国連総会「死刑執行停止決議」が史上最多の117国の賛同を得て採択されました。これは、死刑制度を廃止しようというコンセンサスが、国際社会で醸成されてきていることを示しています。 

全世界で3分の2以上の国が死刑を正式に廃止したかその適用を停止しています。米国においても、死刑を執行しない州は増えています。この傾向は、例えば、2年の執行停止期間を経て、2012年に死刑を廃止したモンゴルでも見られます。 

日本は、いまだに死刑を存置している国の一つです。EUは引き続き、日本に対して、死刑廃止に向けて進んでいる国々の仲間入りをするよう働きかけていきます。 

EUは死刑制度のない世界を求めています」 (リーフレット、PDF) 

「死刑制度のない世界」を目指すEUの取り組み 『EU MAG』2014年9月号 特集 

開発援助

欧州連合(EU)とその加盟国は、合わせて世界最大の開発援助を行っています

EUは、最貧国、脆弱国や低所得国、紛争から脱した国など、援助を最も必要とする国々を支援しています。EUの執行機関である欧州委員会の国際協力・開発総局(DG DEVCO)は、欧州の国際協力・開発政策の設計および国際援助の提供を行っております。 

EUの活動の目的は以下の通りです。 

  • 貧困撲滅 
  • 持続可能な経済・社会・環境開発の確保 
  • 民主主義、法の支配、良きガバナンス、および人権尊重の促進 

これらの目的は、貿易、経済、エネルギー、安全保障、気候など、全ての関連するEUの政策や活動に組み込まれています。 

EUは自身の開発プログラムが、各国政府が自国の開発のために掲げる優先順位に従うようにしており、例えば、EU援助の約25%は直接予算面での支援に充てられています。また、EUは非政府組織(NGO)、労働組合、人権団体、環境保護団体、商工会議所やその他の市民組織と意見を交換するとともに、NGOと国連機関を支援しています。 

EUにとって、開発努力の調整は重要です。プログラムを同調させることで効果を高め、経費を削減することができます。EUは40以上の国において、加盟国との「ジョイントプログラミング(共同計画)」を開始しています。これは、当該被援助国の問題やニーズの評価を共有し、それに基づいた共通の作業枠組みを用意するものです。こうしてジョイントプログラミングを行うことにより、各援助提供者はその強みと専門性と利点を持ち寄ることができ、協力して役割の分担を決めることができるのです。 

開発における日本との協力 

EUは、日本との強固で戦略的な関係を通じて、開発協力における大きな潜在能力を引き出すことを目指しています。共通の価値、豊富な経験と運用面でのノウハウを共有する日本とEUは、幹部レベルでの定期的な意見交換や定期政策協議および現地での共同作業を行っています。両者は特に、マリにおける治安やテロ対策法および司法協力の改善や、コンゴ民主共和国における警察官と司法行政官の能力構築など、アフリカにおいて安全かつ持続可能な開発のための条件を整備する作業を、協力して行ってきました。 

ミレニアム開発目標とその後 

EUは、貧困を軽減し世界中の人々の生活を改善することを目指した国連ミレニアム開発目標 (MDGs)、の達成に懸命に取り組んできました。 その一環として、過去十年の間、EUはほぼ1,400万の児童が小学校へ通えるよう、また7,000万以上の人々が清潔な飲料水にアクセスできるよう支援をしてきました。 EUは、この点について日本と緊密に協議をしています。 

MDGsの達成期限である2015年以降について、世界には2030年までに極度の貧困を撲滅し、全ての人にまっとうな生活をもたらす持続可能な道をたどるための技術も資源もある、とEUは信じています。そのためには全ての国々を網羅しながらも、各国の当事者意識に基づくとともに、各国ごとの個別状況や能力、開発レベルを考慮に入れた枠組みが必要になります。それは「人」を中心に据えたものであり、持続可能な開発の社会・環境・経済の各側面をバランス良く取り入れたものでなければなりません。EUは、貧困を過去のものにするため、日本と緊密な連携を取り続けていきます。 

EU MAG記事「平等と人権に基づく開発援助を訴えるEU」 

開発援助

人道援助

欧州連合(EU)は、世界最大の人道援助提供者です

世界中の援助額の 50 % 以上を危機に見舞われている地域や紛争後の不安定な状態にある国、そして「忘れられた危機」に陥っている国に供与しています。EUは、国際的な人道原則に基づき、また「人道援助に関する欧州のコンセンサス(European Consensus on Humanitarian Aid)」に掲げられているとおり、ニーズに応じた援助を提供しています。この援助は、人種、民族、宗教、性別、年齢、国籍または政治的立場に関係なく、被害を受けた人々に公平に届けられるもので、食料と栄養、シェルター、医療、水と衛生設備を含みます。EUは、国際機関や人道支援を行う非政府組織(NGO)と連携して援助提供にあたっており、シリア南スーダン中央アフリカ共和国をはじめとする世界各地の重大な危機に見舞われている地域や、コートジボワールのような紛争後の不安定な状況にある国を支援しています。 

EUの人道援助および市民保護の実施、運用、提供にあたるのは、欧州委員会の人道援助・市民保護総局(DG ECHO)です。 

災害管理と人道援助における日・EU協力 

2011 年 3 月の東日本大震災後に築かれた関係とそれ以前に行われていた協議に基づいた日・EU間の協力は2013年、広範な防災分野での正式な日・EU協力の合意へとつながりました。 

定期的に行われる日・EU政治協議には人道援助政策が含まれており、この協議は日本政府、国際協力機構 (JICA)、水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)の専門家や幹部職員との頻繁な交流によって強化されています。日本とEUはアジア欧州会合 (ASEM)やASEM関連の災害リスク削減と災害管理に関する会議において、緊密に協力しています。また、2014 年 6 月には、災害リスク削減・災害管理に関わるASEM関係者とさまざまな利害関係者は、「台風ハイエン後のタクロバン宣言」の採択につながった「災害リスク削減および管理に関するASEMマニラ会合」に参加しました。 

EUは、2015 年 3 月 14日~18日に仙台で開催された第3回国連世界防災会議で、新たなポスト兵庫行動枠組(HFA)の採択に向けて日本と共に取り組みました。 

また 日・EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)にも市民保護と人道援助に関連する規定が含まれています。 

Humanitarian Aid

よくある質問

よくある質問とその回答

欧州連合(EU)の加盟国を教えてください。 

EUには、ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、 キプロス、ラトビ ア、リトアニ ア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロヴェニア、スロヴァキア、フィンランド、ス ウェーデンの27カ国が加盟しています。 

加盟国の順番は正式にはこのように、自国語での国名のアルファベット順となっています。 

EUの公用語は何語ですか? 

EU では現在24の公用語が使われています。それらはブルガリア語、スペイン語、チェコ語、デンマーク語、ドイツ語、エストニア語、ギリシャ語、英語、フラン ス語、アイルランド語、クロアチア語、イタリア語、ラトビア語、リトアニア語、ハンガリー語、マルタ語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマ ニア語、スロヴァキア語、スロヴェニア語、フィンランド語とスウェーデン語です。EUの公用語に関する詳しい情報は、こちらをクリックしてください。 

27カ国が加盟しているのに、どうしてEUの旗には星が12個しかないのですか? 

12の星はEU加盟国の数を表しているのではありません。完璧と充実を象徴する円を表しているのです。1955年に欧州評議会(Council of Europe)がこのデザインを採択し、1986年に正式にEU(当時は、欧州共同体)の旗になりました。 

EUは、今後も拡大しますか?加盟申請している国を教えてください。 

現在、アルバニア、北マケドニア、モンテネグロ、セルビア、トルコの5カ国がEU加盟候補国となっています。 

EU拡大に関する詳しい情報はこちら(日本語)及びこちら(英語)をクリックしてください。 

EUと欧州委員会の違いを教えてください。 

欧州委員会は、EUの機構の一部であり、行政執行機関の役割を果たしています。 

詳しい情報は、こちらをクリックしてください。 

ユーロについて教えてください。 

ユーロは、EUの通貨で、EU加盟19カ国で使用されています。2002年に加盟国のうち12カ国で流通が開始し、これらの国(ユーロ圏)唯一の法 定通貨となりました。その後、ユーロ圏は19カ国まで拡大しました。ユーロは、オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、 ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロヴァキア、スロヴェニアとスペイ ンで使用されています。 

ユーロに関する詳しい情報はこちらをクリックしてください。 

日本と EUはどのような関係にあるのですか? 

日本とEUは世界最大の経済を有するという点で共通しているだけではありません。自由、民主主義、法治主義、人権の擁護でも共通の価値を有していま す。従来の日・EU関係は通商を中心としたものでしたが、現在では、安全保障や気候変動まで、より広範な分野において協力し合っています。 

日・EU関係に関する詳しい情報はこちらをクリックしてください。 

駐日EU代表部の役割を教えてください。 

駐日EU代表部(the Delegation of the European Union to Japan)は、日本においてEUを代表する外交使節団であり、そのトップは駐日EU大使です。代表部の任務は、日本とEUの関係強化、EUの利益の促進 と、相互理解の増進です。EU代表部に関する詳しい情報は、こちらをクリックしてください。 

駐日EU代表部は報道機関のEUに関する調査・取材に対して、どのような協力を提供してくれるのですか? 

駐日EU代表部は常に、EUに関する専門的な調査・取材に協力する態勢を整えています。個別のご質問は、delegation-japan@eeas.europa.euにご連絡ください。また、日本各地にあるEU情報センター(EU i)、オンライン広報誌『EU MAG』でもさまざまな情報が手に入ります。 

EU諸国を旅行するときは、ひとつの査証(ビザ)でいいのでしょうか? 駐日欧州連合代表部はビザを発行していますか? 

通常、欧州に短期滞在する日本の旅行者はビザがいりません。また、ビザが必要な場合でも、駐日EU代表部にはビザを発行する権限がありません。ビザの申請については当該  加盟国の大使館 に問い合わせてください。(EU MAG関連記事「EU内の自由移動と査証について教えてください」) 

第三者が欧州の旗(EUのシンボルマーク)を使用することはできますか? 

第三者は次の場合に限って欧州の旗(EUのシンボルマーク)を使用することができます。 

* 使用者がEUまたは欧州評議会と何らかの関連がある(実際にはないにもかかわらず)という誤解を与えるおそれがないこと 

* 使用者がEUまたは欧州評議会から後援や協賛など何らかの便宜を受けている(実際にはそうでないにもかかわらず)と一般の人に信じ込ませるおそれがないこと 

* 欧州連合または欧州評議会の目標や理念に反する目的または活動に関連した使用ではないこと 

使用目的が、上記の条件を満たす場合、書面による許諾申請の必要はありません。 

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より詳しい情報の問い合わせ先を教えてください。 

問い合わせは「delegation-japan@eeas.europa.eu」にお寄せください。