チョルノービリ原発事故から36年を迎えてのボレルEU上級代表とシムソン欧州委員の共同声明
<日本語仮抄訳>
チョルノービリ原発事故から36年を迎えることに際して、ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長およびカドリ・シムソン・エネルギー担当欧州委員は、以下の共同声明を発表した。
「36年前、チョルノービリ原子力発電所の事故は、史上最も恐ろしい原子力事故のひとつとなった。長期にわたるこの悲劇は、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアなど欧州各地に広範な影響を及ぼし、死者、人々の苦痛、長期的健康被害、食糧不足および環境汚染を引き起こした。約35万人が深刻な汚染地域にある家を離れることを余儀なくされ、その社会的・経済的な影響は今なおも続いている。
今日、ロシアによる違法で不当なウクライナの侵略は、われわれの大陸における核の安全を再び脅かしている。ロシアはウクライナの核関連施設を標的にし、それらを占領し、無謀にもそれらに損害を与えた。不法な占拠と人員交替の妨害など通常運転の中断は、ウクライナの原子力発電所の安全・安心な運転を損ない、事故のリスクを著しく高めている。
1986年のチョルノービリ原発事故から36年を迎え、われわれは、チョルノービリ原発におけるロシアの最近の行動によって引き起こされた核の安全・セキュリティ上のリスクに対し、あらためて最大限の懸念を表明する。われわれは、ロシア政府に対し、占拠下のザポリッジャ原子力発電所の支配権をウクライナ当局に返還し、核関連施設を標的とする行動をこれ以上行わないように求める。
われわれは、世界中で最高水準の核の安全、セキュリティおよび保障措置へのコミットメントを再確認し、ウクライナ政府の要請に基づいて支援を提供するための国際原子力機関(IAEA)の取り組みを歓迎し、全面的に支持する。
われわれは、国際社会および全ての関係者に対し、戦争の状況下での核関連施設を保護するための既存の国際文書を改善する方法や、新たな具体的な文書の必要性について、直ちに検討を開始するよう求める」
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