ロシアの大統領選挙およびそのウクライナ領内における実施に関するEU声明

EU News 030/2024

<日本語仮抄訳>

ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、EUを代表して以下の声明を発表した。

「ロシアが3月15日~17日に実施した大統領選挙は、ロシアのウクライナに対する違法な侵略戦争によって悪化した、非常に制限された環境の中で行われた。

ロシア当局は、野党政治家、市民社会組織、独立メディアおよびその他の批判的な声を、抑圧的な法律や政治的動機に基づく実刑判決で取り締まり、組織的な内部抑圧を強化し続けてきた。選挙を目前に控えた野党政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の衝撃的な死も、加速する組織的弾圧の兆候である。今般の選挙は、市民的・政治的権利の侵害が急増し、ロシアの違法な侵略戦争に反対する全ての候補者を含む多くの候補者の出馬が排除され、ロシアの有権者にとって真の選択肢が喪失し、正確な情報へのアクセスが大幅に制限された、縮小する一方の政治的空間の中で行われた。EUは、ロシアの市民社会組織、人権擁護者および独立メディアの重要な活動を今後も支援していく。

EUは、ロシア当局が今般の選挙に欧州安全保障協力機構/民主制度・人権事務所(OSCE/ODIHR)の監視団を招聘しなかったことを遺憾に思う。これは、同機構に対するロシアの公約に反し、ロシアの有権者および諸機関が今回の選挙について公平かつ独立した評価を受ける機会を奪った。

EUはさらに、ロシアが一時的に占領しているウクライナ領土(クリミア自治共和国とセバストポリ特別市の他、ドネツク、ルハンスク、ザポリッジャおよびヘルソン各州の一部)において、いわゆる『選挙』が違法に実施されたことを強く非難する。これらの地域でのいわゆる『選挙』は、国連憲章を含む国際法およびウクライナの独立、主権および領土の一体性に対するロシアによる明白な違反・侵害だ。2022年10月12日と2014年3月27日の2つの国連総会決議に照らして、ロシアに対し、国際的に承認されたウクライナの国境と主権を尊重するよう求める。EUは、ウクライナ領内でのいわゆる『選挙』の実施もその結果も、決して承認することはなく、今後も決して認めないことを改めて表明する。この『選挙』は無効であり、いかなる法的効力も生じえない。ロシアの政治指導部およびその実施に関与した者は、これらの違法行為の代償を払うことになる」

原文はこちらをご覧ください(英語)。