日本の医療研究者、欧州研究会議の助成先との共同研究が可能に
<日本語仮訳>
欧州連合(EU)と日本の間で本日、欧州研究会議(ERC)の助成を受ける、欧州を拠点とする研究チームと、日本の医療研究のトップを走る研究者との間の連携を促進するための新たな制度が発足した。ERCにとって、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と共同で進めるこの制度は、日本の研究助成機関と交わす3件目の取り決めである。
パトリシア・フロア駐日EU大使と三島良直AMED理事長が本日、この新たな制度の立ち上げに関する合意に署名した。署名式は東京で行われ、日本政府やAMEDの関係者が臨席する中、ジャン=ピエール・ブルギニョンERC理事長をはじめEU高官やEU日本政府代表部関係者は、ブリュッセルからオンライン形式で出席した。
欧州委員会でイノベーション・研究・文化・教育・青少年を担当するマリヤ・ガブリエル委員は、「日本のような科学先進国との間でまた新たな取り組みが始まることをうれしく思う。国や大陸を越えた連携がかつてないほどに重要となる中、EUと日本双方は今般の制度から得るものは多いであろう。このことは、今回の取り組みが関係する医療分野においては最近特に、紛れもない確かなことであり、また時節に合っている」と述べた。
ブルギニョンERC理事長は、「日本の主要研究機関であるAMEDの支援を受けた科学者がERCの助成を受けた研究者を訪問し、共同で研究を行えることは、最高峰の国際的科学協力の促進がEUと日本双方の共通の利益であることをさらに証明するものだ。また、「環頭脳循」(有能な人材の循環型国際移動)を促し、科学的交流を刺激し、世界のあらゆる場所から優秀な研究者を欧州に招くというERCの精神と共鳴している。科学には国境はなく、その成果は万民の利益となる」とコメントした。
AMEDの三島良直理事長は、「これを機に日本人研究者の活躍の場が広がり、欧州の優秀な研究者との研究交流が活発になることを期待しています」と述べた。
正式には「実施取り決め」と呼ばれる今回の取り組みは、AMEDが支援する日本のトップレベルの研究者が対象となる。この制度を通して彼らは、双方にとって相乗効果を得るべく、ERCの研究グループと、同種の研究分野もしくは双方の関心テーマについて、一時的に参加することが容易になる。このような研究交流は、短期または長期滞在(1回または複数回の訪問)のいずれも可能となる。
ERCにとって16番目の連携取り決めである今回の合意は、欧州を研究人材のハブとすることを目的としたERCの国際的アウトリーチ戦略の一環である。
この制度はまた、医学・医療研究の発展と実用化をより加速させるために異分野連携や国際連携を促すという、AMEDの戦略とも合致している。
背景
2015年に設立された日本医療研究開発機構(AMED)は、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が所管する日本の資金配分機関。AMEDは、医療分野の研究開発を基礎研究から実用化まで幅広く総合的に推進している。2020年度当初予算額は約9億2,800万ユーロ(1,272億円)。
2007年に欧州連合(EU)によって設立された欧州研究会議(ERC)は、卓越した最先端研究のための主要研究資金提供機関。毎年、国籍や年齢を問わず、最も優秀で創造的な研究者を選出し、欧州を拠点としたプロジェクトを実行するための資金を提供している。
ERCはこれまでに9,500人以上のさまざまな研究段階にある優秀な研究者と、7万人以上の博士研究員、博士課程の学生、および研究チームで働くその他のスタッフに対し、助成金を提供してきた。ERCは国籍を問わず助成金を提供しており、世界中から優秀な研究者を惹きつけることを目指している。これまでに33人の日本人がERCの助成金を獲得している。また、欧州以外の研究者にERCの資金提供を受けたチームに参加することも奨励している。研究チームメンバーの約17%は欧州以外の国籍を持つ研究者であり、これまでに300人以上の日本人が欧州各地の研究機関のERCチームに参加している。
2012年に米国国立科学財団(NSF)の支援を受けた研究者に対し、一時的にERCチームへの参加を奨励する最初の取り組みが行われたのを皮切りに、各大陸の著名な研究資金提供機関との間で研究交流に関する「実施取り決め」が交わされてきた。本日の合意は日本とは3件目である。最初の取り組みは2015年に日本学術振興会(JSPS)と署名された。2018年には国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)との連携を通じて2件目の取り決めが締結された。
ERCは独立した機関である科学審議会により統治されている。ERCの理事長はジャン=ピエール・ブルギニョン教授が務め、2014年~2020年までのERC全体の予算は130億ユーロ超で、これはマリヤ・ガブリエル欧州委員(イノベーション・研究・文化・教育・青少年担当)が統括するEUの研究助成プログラム「ホライズン2020 (Horizon 2020)」プログラムの予算の一部である。
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