欧州委員会、ロシアの化石燃料への依存を早急に縮小し、グリーン移行を加速させる「REPowerEU」計画を提案

EU News 110/2022

<日本語仮抄訳>

欧州委員会は本日、ロシアのウクライナ侵攻によって生じた困難や国際エネルギー市場の混乱への対応である「REPowerEU計画」を発表した。 欧州のエネルギー体制の変革は、経済的・政治的な武器として使用され、欧州の納税者に年間およそ1,000億ユーロの出費を強いているロシアの化石燃料への欧州連合(EU)の依存の終了および気候危機に取り組むという二重の意味で急務である。EUは、結束して行動することで、ロシアの化石燃料への依存からの段階的脱却を早めることができる。欧州市民の85%は、ウクライナを支援するため、EUはロシア産のガスや石油への依存を可能な限り早急に減らすべきだと考えている。「REPowerEU計画」に含まれる措置は、省エネ、エネルギー供給の多角化および再生可能エネルギー導入の加速により家庭、産業および発電用の化石燃料を代替することを通じて、こうした野心に応えることを可能にする。

こうしたグリーン・トランスフォーメーションは、欧州やそのパートナーたちの経済成長、安全保障および気候変動対策を強化する。「REPowerEU計画」の中心となるのは、越境・国内インフラの計画や資金調達の連携を図り、エネルギー関連のプロジェクトや改革を支援する「復興強靭化ファシリティー(RRF)」である。欧州委員会は、EU加盟各国の「復興強靭化計画(RRP)」に既に含まれている多数の関連改革や投資に加え、REPowerEUに特化した章を組み込むため、「RRF規則」を目標を絞って改定することを提案している。この流れに「2022年欧州半期(ヨーロピアン・セメスター)」における国別勧告も反映される予定である。