欧州委員会、有毒物質のない環境に向け、新たな「化学物質戦略」を採択

14.10.2020

EU News 281/2020

<日本語仮抄訳>

欧州委員会は本日、「持続可能な欧州連合(EU)化学物質戦略」を採択した。同戦略は、欧州グリーンディールで表明された、有毒物質のない環境のため汚染をゼロにするという野心の達成に向けた第一歩だ。同戦略は安全で持続可能な化学物質に関するイノベーションを促進し、有害化学物質から人体と環境をさらに保護する。これには、社会に不可欠と証明されない限り、最も有害な化学物質を、例えば玩具、保育用品、化粧品、洗剤、食品と接触する材料、および繊維製品などの消費者製品に使用することを禁止し、全ての化学物質がより安全かつ持続可能な形で利用されることを担保する。

同戦略は、化学物質が人の健康と欧州の経済・社会のグリーンかつデジタルな変革に基本的な役割を果たすことを十分に認識している。同時に、最も有害な化学物質がもたらす健康と環境への課題に対応することが急務であるとも認めている。この精神に基づき、今般の戦略は、計画的に化学物質を安全かつ持続可能にし、これらの物質が地球と現・後世代に害を与えずにその利益をもたらすようにするための具体的な行動を示している。これには、人体と環境に最も有害な化学物質が、特に消費者製品や最も弱い立場の人々関連で不必要に社会利用されないようにし、また全ての化学物質がより安全かつ持続可能な形で利用されるよう担保することが含まれる。化学業界がこの移行に対応できるよう、いくつものイノベーション・投資関連措置が予定されている。同戦略はまた、EU加盟国が、産業界のグリーンでデジタルな変革への投資に「復興・強靭性ファシリティー」を活用する可能性に注目するよう促している。

 

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