経済安全保障強化に向けたEUのアプローチ

EU NEWS 102/2023

<日本語仮抄訳>

 

欧州委員会と欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は本日、「欧州経済安全保障戦略」に関する共同コミュニケーション(政策文書)を発表した。同コミュニケーションは、地政学的緊張の高まりと加速する技術革新の文脈において、経済の開放性とダイナミズムを最大限に維持しつつ、特定の経済の流れから生じるリスクを最小化することに焦点を当てている。

 

本日提案された戦略は、EUの経済基盤と競争力を促進し、リスクに対する防御を高め、可能な限り幅広い国々と連携して共通の懸念や関心に対処することにより、経済安全保障を確保するための共通枠組みを定めている。比例性と正確性という基本原則が、経済安全保障に関する施策の指針となる。

 

リスク管理に向けたより包括的な取り組み

現在の地政学的・技術的環境において、特定の経済的つながりがもたらすリスクは急速に進化しており、安全保障上の懸念とますます融合しつつある。このためにEUは、自身の経済安全保障に対するリスクを共通に特定、評価および管理する包括的なアプローチを構築する必要がある。

 

本戦略では、以下の4分野において、経済安全保障へのリスクを徹底的に評価することを提案している。

  • エネルギー安全保障を含むサプライチェーンの強靭性に対するリスク
  • 重要インフラの物理的およびサイバー空間における安全性に対するリスク
  • 技術上の安全や技術流出に関するリスク
  • 経済的依存関係の武器化や経済的威圧のリスク

 

今般の戦略は、このリスク評価のための方法論を提案している。このリスク評価は、欧州委員会とEU加盟各国が、必要に応じてEU上級代表と協力し、民間部門の意見を取り入れながら実施するべきである。この評価手続きは、動的かつ継続的なものであるべきだ。

 

同戦略はまた、以下の3つのアプローチを通じて、特定されたリスクを軽減する方法を定めている。

  • EU単一市場の強化、強く強靭性のある経済の支援、技能への投資およびEUの研究・技術・産業基盤の育成を通じたEUの競争力を促進する
  • 既存のさまざまな政策や手段の他、および想定されるそれらの不備に対処するための新たな方策の検討を通じて、EUの経済安全保障を守る。これは、欧州経済および世界経済への意図しない負の波及効果を限定すべく、比例的かつ正確な方法で行われる
  • 貿易協定の強化や交渉終結、他の連携の強化、ルールに基づく国際経済秩序や世界貿易機関などの多国間機関の強化および「グローバル・ゲートウェイ」戦略を通じた持続的開発への投資などを通じて可能な限り幅広いパートナーと連携して経済安全保障を強化する

 

原文はこちらをご覧ください(英語)。

 

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