EU、中国との首脳会議でウクライナの平和と安定の回復は共通の責任と強調

EU News 83/2022

<日本語仮抄訳>

欧州連合(EU)と中国は2022年4月1日、オンライン形式で23回目となる定期首脳会議を行った。シャルル・ミシェル欧州理事会議長とウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が李克強首相と首脳会議を行い、その後、習近平主席と意見交換を行った。

ロシアのウクライナに対する軍事侵略

EUと中国は、世界の安全保障のみならず、食糧やエネルギーの安全保障をも脅かしているロシアのウクライナに対する軍事侵略について、集中的に議論した。EUは、自身の主目的は、主権国家であり、EUの主要パートナーであるウクライナに対するロシアの不当でいわれのない侵攻を止めることであると強調した。EUはまた、ロシアが人道的アクセスを認め、人道回廊を守り、民間人や民間インフラへの攻撃を止めることの重要性を強調した。

EUと中国双方は平和と安定のために行動する国際的な責務を担っていることを思い起こし、EUは中国に対し、自国の国連安全保障理事会の常任理事国としての世界における役割と、ロシアとの比類なき緊密な関係に見合うよう、ウクライナにおける流血を直ちに停止させるための取り組みを支持するよう求めた。

EUは、ロシアのウクライナ侵攻が国連憲章に示される主要な規範や原則と、特に主権と領土の一体性の尊重など欧州安全保障協力機構(OSCE)の基本的文書に違反していることを強調した。この違反行為でロシアは、自身が締約国でもあるヘルシンキ最終文書、パリ憲章およびブダペスト覚書を含む欧州の安全保障体制を意図的に損なっせた。

EUは、ロシアに対する国際的制裁は、EUおよびその国際的パートナーが相当な経済的打撃を受けるにもかかわらず、同国の侵略を止めさせるという唯一の目的のために科されたことを思い起こした。これらの制裁の効果を回避するいかなる行為も、ロシアに対するいかなる支援も、流血を長引かせ、さらなる民間人の犠牲や経済混乱をもたらす。EUはそのパートナーと共に、ロシアと、ロシアのウクライナに対する戦争や国際法や国際人道法の違反行為に責任を負う者に対し、その責任を取らせるよう取り組む。制裁を回避する、あるいはその他の方法でロシアを支援するためのいかなる行為も止めなければならない。

 

『EU MAG』の関連記事:「EU、国際社会と協調してロシアによるウクライナ侵略に対抗

 

EUについてさらに知りたい場合は日本語のオンラインマガジン『EU MAG』をご覧下さい。