EUと日本、「海上における制裁執行」について意見を交わす

<日本語仮訳>
- ドイツ海軍のフリゲート「バーデン・ヴュルテンベルク」と補給艦「フランクフルト・アム・マイン」が東京に寄港した機会を捉え、駐日欧州連合(EU)代表部と在日ドイツ連邦共和国大使館は、EUの「アジアにおけるアジアとの安全保障協力の強化(ESIWA)」プロジェクトの支援を受け、海上における制裁執行に関するラウンドテーブルを開催。
- EUと日本双方の外交官、軍関係者、専門家らが、海上における制裁執行の政治的、法的および運用的側面について意見交換。
欧州連合(EU)および日本の外交官、軍関係者および専門家は東京において、「海上における制裁執行」について議論した。
駐日EU代表部と在日ドイツ連邦共和国大使館は21日、ドイツ海軍のフリゲート「バーデン・ヴュルテンベルク」と補給艦「フランクフルト・アム・マイン」が東京に寄港したのを捉え、EUの「アジアにおけるアジアとの安全保障協力の強化(ESIWA)」プロジェクトの支援の下、海上における制裁執行に関するラウンドテーブルを主催した。
同ラウンドテーブルには、日本の外務省および防衛省、欧州対外行動庁、地中海におけるリビアへの武器移転に関する国連禁輸措置の執行に貢献しているEU地中海海軍部隊イリニ作戦、ドイツ外務省、ドイツ海軍およびフランス海軍(神奈川県横須賀市の太平洋安全保障海上交流執行調整室の連絡担当官)の代表者を含む講師が登場した。
日本の関係機関および外交団の他、研究所や民間企業など、制裁執行に携わるEUと日本からおよそ50人が参加した。
背景
ドイツのフリゲート「バーデン・ヴュルテンベルク」と補給艦「フランクフルト・アム・マイン」が8月20日~25日まで、7カ月間のインド太平洋派遣の一環として東京に寄港している。
この間、両艦は日本の海上自衛隊と演習を行うほか、太平洋海洋安全保障交流(PSMX)の一環として、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する国際制裁の海上執行を支援する任務を遂行する。これらの制裁執行活動は、神奈川県横須賀市に拠点を置く「(制裁決議)執行調整所(ECC)」によって調整される。
EUと日本はともに、国連安保理決議に基づく制裁を海上で執行することにコミットしている。日本はPSMXとECCに積極的に貢献している。これらのような特定の取り組みに対する各EU加盟国の貢献のみならず、EUは共通安全保障防衛政策(CSDP)の下、自身も軍事作戦を実施している。EUは地中海でEU海軍部隊イリニ作戦を立ち上げており、その任務はリビアに対する国連の武器禁輸措置の実施である。
EUと日本はまた、政治的に、また国連薬物犯罪事務所(UNODC)への資金提供を通じて、2024年5月にマルタに設立された国際海上制裁実施センターを支援している。
EUのESIWAプロジェクトについて
ESIWAプロジェクトは、テロ対策と暴力的過激主義の防止、危機管理、サイバーセキュリティおよび海洋安全保障の4分野において、EUとインド太平洋地域の安全保障・防衛協力の強化に取り組んでいる。同プロジェクトは、EU、ドイツ連邦外務省およびフランス欧州外務省が共同出資している。ESIWAはドイツ国際協力公社(GIZ)とExpertise Franceが共同運営している。
海洋安全保障に関するESIWAの活動は、スマートな安全保障の実現者としてのEUのインド太平洋地域におけるアジェンダを支援することを目的としている。
原文はこちらをご覧ください(英語)。
CONTACT DETAILS
問い合わせ先:
駐日欧州連合代表部 首席報道担当官 小関 真理
ドイツ連邦共和国大使館 広報課長・一等書記官 ゼーンケ・グロートフーゼン
ESIWAプロジェクト コミュニケーション担当専門官 Rahul Venkit(ラフール・ヴァンキット)