G7財務大臣・中央銀行総裁声明

12.10.2023
モロッコ・マラケシュ
駐日欧州連合(EU)代表部プレスチーム

EU NEWS 174/2023

<財務省日本語仮訳>

我々、G7 財務大臣・中央銀行総裁は、国際通貨基金(IMF)、世界銀行グループ(WBG)、経済協力開発機構(OECD)、金融安定理事会(FSB)の長の参加を得て、マラケシュにて会合した。我々は、ウクライナのセルゲイ・マルチェンコ財務大臣の参加を得たことを光栄に思う。

1. 我々は、モロッコとアフガニスタンの地震とリビアの洪水による犠牲者とそのご家族に、深い哀悼の意を表明する。我々は、必要な支援の提供にコミットしている。マラケシュにおける世銀・IMF 年次総会の成功が、モロッコの災害からの力強い復興を加速させることを期待する。我々は、今般のハマスによるイスラエル国に対するテロ攻撃を断固として非難し、イスラエル国民との連帯を表明する。

2. 我々は、ウクライナに対する揺るぎない支援を再確認し、ロシアのウクライナに対する不法かつ、不当で、いわれのない侵略戦争を非難することで結束する。ロシアの戦争は、悲劇的な人命の損失と財産及びインフラの破壊を引き起こし、世界的な食料不安を増大させ、世界経済の課題を悪化させた。ロシアのウクライナに対する戦争とロシアによる食料及びエネルギーの武器化に起因する、世界経済の困難に対処するために、引き続き国際協力を促進する決意である。この文脈において、我々は、世界市場への供給を確保し、食料価格の変動を軽減するため、ロシアに対し、ウクライナの穀物供給及びインフラに対する攻撃を止め、黒海穀物イニシアティブに迅速に復帰するよう求める。我々は、ロシアのウクライナに対する不法な戦争の即時の終結を求める。これは、世界経済の見通しに対する最大の不確実性の1つを解消するものである。

3. 我々は、ロシアがウクライナの長期的な再建の費用を支払うようにする我々の取組を続ける。我々はまた、それぞれの法制度と国際法に整合的に、ウクライナ支援のためのあらゆる可能な方策を探求する。我々は、ロシアの支配層(エリート)、代理勢力、オリガルヒ(REPO)タスクフォースによる、REPO 加盟国の管轄下で動かせないようになっているロシアの国家が有する資産(現段階では約 2,800 億米ドル相当とされる)を把握するための初期の取組を歓迎するとともに、今後数カ月かけてその初期の取組を精緻化することを期待する。我々は、それぞれの法制度と整合的に、ロシア自身がウクライナにもたらした損害を支払うまで、我々の管轄下にあるロシアの国家が有する資産を、引き続き動かせないようにしておくとの我々の首脳声明を想起し、再確認する。我々は、ロシアの不法かつ不当で、いわれのない侵略戦争を遂行する能力をさらに低下させるために、制裁及びその他の経済的措置を課し、遵守を確保するという我々の揺るぎない決意を再確認する。我々は引き続き、我々の制裁措置を回避し、損なうようなあらゆる試みに対抗することにコミットする。我々は、ロシアと他の国々との間のクロスボーダー取引の監視における連携を引き続き強化し、ロシアの金融セクターに対して必要に応じて更なる行動を取り、ロシアの原油及び石油製品への上限価格がその目的を実現していることを確保し、また必要かつ適切な所要の履行確保措置を取るために、その効果を注意深く監視する。

4. 我々は、必要とされる限り続けられるウクライナに対する我々の揺るぎない支援を再確認する。我々は、ウクライナの緊急の短期的な資金ニーズへの支援と、周辺国やその他の深刻な影響を受けた国々を支援することに引き続き強くコミットしている。ウクライナのための IMF プログラムの第一次レビューが成功裏に完了したことを踏まえ、また第二次レビューを見据え、我々は、ウクライナの 2024 年の資金ニーズへの対応を支援するための共同の取組を継続する。我々は、ウクライナによる構造改革の継続的な実施と、今後のレビューが成功裏に完了することを期待している。これらは、マクロ経済と金融の安定を促進し、ガバナンスを向上させ、制度を強化し、長期的な経済の持続可能性や戦後の復興に貢献する。我々は、ウクライナ復興ドナー調整プラットフォームを通じたものを含め、ウクライナの重要インフラの修復、復旧及び復興を引き続き支援する。我々は、凍結されたロシアの国家資産に直接起因する、民間事業者に保有された特別な収入が存在しており、それが適用可能な法令の下でロシアへの返還義務を満たすことが求められていない場合、その収入をどのようにウクライナ支援とその復旧・復興に向け得ることができるかについて、適用可能な法令に適合するかたちで探求する。

5. 我々は、世界銀行グループとの協働による「RISE(強靭で包摂的なサプライチェーンの強化)に向けたパートナーシップ」の成功裏の立上げを歓迎する。これは、G7、その他の国々、国際機関からの資金面を含む貢献により達成されたものであり、我々は、関心を有するより多くの国が、この重要なイニシアティブに参加することを期待する。RISE は、低・中所得国がクリーンエネルギー製品のサプライチェーンの中流及び下流において、より大きな役割を果たせるよう支援することを目指す。サプライチェーンの多様化は、エネルギー安全保障の確保、マクロ経済の安定と強靭性の下支え、能力構築の強化、ネット・ゼロの達成に貢献しうる。我々は、現地の関連情報を共有し、RISE が取り組むべき課題を特定するための現地情報プラットフォームの試行等を通じて、迅速かつ質の高い RISE の実施を引き続き支援する。我々は、サプライチェーンの強靭性をさらに強化するための協調を継続する。

6. 我々は、気候変動や食料不安を含む複数の複雑な課題への対応において、新興市場国・発展途上国、特に低所得国を支援するとの我々のコミットメントを再確認する。その際、我々は、多国間及び二国間のイニシアティブを通じて民間資本を動員する際の公的資金の重要な役割を認識する。我々はまた、受益国においてより多くの民間投資を誘致するためにビジネス環境を改善すること及び国内資金動員を支援することの重要性を認識する。我々は、非OECD 加盟国がより多くの、より良い、安全な海外直接投資(FDI)を引きつけることを支援するために、OECD が非 OECD 加盟国へのアウトリーチを拡大・深化させるために策定した戦略を歓迎する。我々はまた、OECD の炭素緩和アプローチに関する包括的フォーラム(IFCMA)を支持する。昨年の会合の成功に引き続き 2023 年 10月 14 日に開催される G7-アフリカラウンドテーブルは、G7 の財務大臣、G20 議長国が、アフリカ諸国の財務大臣とアフリカへ更に資金を動員する方法について議論する機会を提供する。我々は、アフリカ諸国や新興市場国・発展途上国との金融・経済面での協働や政治対話の更なる強化に引き続きコミットしている。

7. 我々は、債務、MDB 改革、強固で持続可能な PRGT、及び IMF クォータ見直しといった主要な事項に関する G20 の議論の進捗を支持するとの我々の確固たるコミットメントを再確認する。我々は、予測可能で、適時に、秩序立ち連携した方法で、「共通枠組」の実施を強化する G20 の取組を引き続き支持する。我々は、ザンビアに対する債務措置に関する覚書の可能な限り速やかな最終化と、ガーナとエチオピアの債務措置の迅速な合意を求める。我々は、スリランカの債務措置の合意に向けた、債権国会合における大きな進展を歓迎し、その迅速な解決を期待する。我々は、「気候変動に対する強じん性を取り入れた借入条項(CRDC)」の融資制度への統合を探求する取組を歓迎し、より多くの債権者がこれを提供することを奨励する。我々は、G20 による自己資本の十分性に関する枠組(CAF)の独立レビューのロードマップにおいて、潜在的に今後 10 年間で少なくとも 2,000 億米ドルの追加的な融資余力が見込まれるとされた、当初の進捗を歓迎しつつ、MDBs が CAF 提言を更に実施するための確固たる努力を継続することを強く求める。世界銀行グループについては、我々は、地球規模の課題への対処に支援を必要とする低中所得国を支援するとともに、最貧国への強力な支援を提供するために、世界銀行の能力を押し上げるための更なる資金余力と譲許的資金を共同で動員するという G20首脳のコミットメントを実現する。我々はまた、国際公共財を保護する観点から、最貧国のニーズを引き続き優先しつつ、十分に的を絞り、優先順位付けを行いながら、限られた譲許的資金を配分するための明確な枠組みに合意するため、他の株主と緊密に協力しながら、積極的な役割を果たす。我々は、これらのイニシアティブに貢献するための最善の選択肢を決定する。我々は、低所得国を支援するため、来年の野心的な第 21 次IDA 増資を共同で行うことにコミットしている。我々はまた、IMF による、増大する低所得国のニーズを満たすために、PRGT を持続可能なものとするための取組を支持する。我々は、2023 年 12 月 15 日までに、クォータ増資を伴う IMF の第 16 次クォータ一般見直しの迅速かつ適時の完了を確保するための最大限の努力を継続する。我々は、2017 年5 月の為替相場についてのコミットメントを再確認する。我々は、国際農業開発基金(IFAD)に対する年末の野心的な増資に期待する。

 

声明原文はこちらをご覧ください(英語)。