第7回日・EUハイレベル経済対話
<経済産業省仮訳>
2026年5月7日、日本とEUはブリュッセルにおいて第7回日・EUハイレベル経済対話を開催した。重要な点として、今回の対話は強化された形式で初めて開催され、貿易・産業政策及び経済安全保障に関する協力までその焦点を拡大することが可能となった。この対話は、EU側の共同議長であるステファン・セジュルネ欧州委員会上級副委員長(繁栄・産業戦略担当)及びマレシュ・シェフチョビチ欧州委員(貿易・経済安全保障担当兼機関間関係・透明性担当)と、日本側の赤澤亮正経済産業大臣及び堀井巌外務副大臣との間で行われた。
この対話の中で、双方は長年にわたる戦略的関係を評価し、これを更に強化していく決意を共有した。双方は、日・EU関係が、信頼、開放性、公正に基づくパートナーシップであることを改めて強調し、ルールに基づく国際秩序へのコミットメントを再確認した。
これには、WTO等の多国間フォーラムの改革と支援に向けた継続的な取組に加え、G7及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)とEUとの対話等を通じた多国間イニシアティブの下での協力も含まれる。
さらに、双方は、中東情勢について意見交換し、円滑に機能し、安定的でかつ透明性の高いエネルギー市場の重要性を強調するとともに、航行の安全や重要な海上ルート及びインフラの保護を含む、安全かつ途切れることのない貿易の流れの重要性を再確認した。
重要な点として、四者は日本とEUが共通して直面する幾つかの喫緊の課題につい
て協議した。四者は、第三国によって使用されるあらゆる形態の経済的威圧に対する懸念を表明した。特に、四者は近年の不当な輸出規制の拡大に対して遺憾の意を表明するとともに、戦略的サプライチェーン、特に重要鉱物のサプライチェーンを混乱させないよう、輸出管理措置が厳密に定義され、差別的でなく、国際法及び国際慣行に従っていることを確保することの重要性を改めて強調した。また、四者は、有害な過剰生産及び市場歪曲をもたらす非市場的な政策・慣行の使用に対する深刻な懸念を表明した。
こうした文脈において、日本とEUは、サプライチェーンの強化に向けて共同で取り組むとのコミットメントを再確認するとともに、2025年7月の日・EU定期首脳協議において立ち上げた日EU競争力アライアンスを実現することを確約した。具体的には、戦略的物資における補完関係の強化及び強靱かつ安全な市場の構築を通じて、特に重要鉱物、バッテリー、クリーン技術、洋上風力や水素、太陽光等のクリーンエネルギー、鉄鋼、ロボティクス、バイオテクノロジー、防衛・宇宙産業分野において取組を推進することで一致した。これは、日EUビジネス・産業ウィークを含む関連行事における成果を踏まえたものである。
四者は、また、欧州投資銀行(EIB)と国際協力銀行(JBIC)との間の協力に向けた継続的な議論が行われている事を認識した。四者はまた、EU重要原材料法(CRMA)に基づく戦略的プロジェクトのマッチング・セッションを通じた進展を歓迎し、日本とEUとの間の更なる重要鉱物共同プロジェクトを実現するための支援を検討する意向を改めて表明した。
双方は、「日・EU競争力アライアンス」に基づき、一般社団法人電池サプライチェーン協議会、欧州バッテリーアライアンス(EBA)、及び先進二次式・リチウム電池協会RECHARGE の間の覚書の顕著な進展を認識し、双方のバッテリー産業が具体的なビジネスチャンスを模索する機会を設けることを含め、バッテリー分野におけるサプライチェーンの強靱性を更に強化するため、双方の産業の連携を促進する政策を実施する。
昨年、日本のGX推進機構、日本貿易振興機構(ジェトロ)及びInnoEnergyの間で署名された協力覚書に基づき、双方は、両国でイノベーションに取り組むスタートアップ企業への支援提供等の取組を推進する意向である。
四者は、日・EUビジネス・ラウンドテーブルが、政策交流の場として、また欧州と日本の間でビジネスプロジェクトの形成を促進する投資プラットフォームとしての役割を果たしていることを確認した。
さらに、2025年の日EU定期首脳協議における両首脳による呼びかけを受け、経済安全保障に関する協力の強化並びに重要な依存関係及び構造的脆弱性への対処
に向けた共通のコミットメントを基盤として、四者は、重要・新興技術の促進及び保護に係る、より緊密な関与の必要性を強調しつつ、格上げされた「経済安全保障及び関連する新たな貿易・経済問題に関する作業部会」の下で、日・EU間の協力を強化することで一致した。この協力は、技術移転のリスク評価、リスク軽減措置、協調的な対応、民間セクター及び技術保有者との体系的な連携における共同の取組を促進するものである。双方は、この協力をG7及びその他の同志国においても推進することを目指す。
双方は、グローバルな鉄鋼過剰生産に対処するためにより強力な国際的行動が必要であることを強調しつつ、EUの鉄鋼に関して提案されている措置について、日本の懸念を踏まえ、日・EU経済連携協定及びWTO協定を考慮し、引き続き協議を行うことで一致した。
双方は、相互利益となる解決策を模索すべく、それぞれの産業政策について意見交換を行い、特に自動車及び電池分野において、国際ルールに整合的に、日本とEU間の自由で開かれ、包摂的かつ透明性の高い貿易及びサプライチェーンを維持し、更に強化していくことに向けた議論を継続していくこととした。
最後に、四者は、次回の日EU定期首脳協議に向け、将来に向けた協力の具体化と議論を更に深めることで一致した。
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