ロシアのウクライナに対する侵略戦争から2年を迎えることを受けた現地声明

EU NEWS 020/2024

<日本語仮訳>

駐日欧州連合(EU)代表部は本日、以下の声明を発表した。

「ロシアによる全面的なウクライナ侵攻が始まってから2年を迎える。これは、10年前にロシアがクリミアの違法な併合を試みた時に始まった戦争の最新章である。ウクライナは、自国の独立、主権および領土の一体性を守る戦いにおいて途方もない決意や勇気、知性を示してきた。

この日、ウクライナに対する揺るぎない支持を改めて表明する。EUとその加盟国は、今後もウクライナに必要な政治的、軍事的、経済的、財政的および人道的支援を必要な限り提供し続ける。EUはこれまでに900億ユーロ近い支援を同国に提供しており、直近では、2024年~2027年の間、一貫性のある予測可能かつ柔軟な支援のために500億ユーロの『ウクライナ・ファシリティー』を設置することに合意した。欧州諸国は数百万人もの難民を庇護すると共に、ウクライナ国軍などに兵器の備蓄を提供してきた。

われわれは、ロシアのウクライナに対する違法な侵略戦争を引き続き強く非難する。また、黒海の安全と安定の重要性を強調し、『EU連帯レーン』を通じてなど、最も必要としている国々へのウクライナ産穀物の輸出を促進するためのあらゆる取り組みを支持する。EUは、パートナーおよび同盟国と共に、制裁のさらなる強化に引き続き取り組み、その完全かつ効果的な実施および制裁回避の防止を通じて、ロシアが侵略戦争を遂行する能力を制限することを目指す。ロシアは国際法と国連憲章の原則に明白に違反している。ロシアとその指導層は、侵略戦争を行ったことや国際法上のその他の最も重大な犯罪について、またその戦争がもたらした甚大な損害について、全面的に責任を負うべきである。

EUとその加盟国は、ウクライナが将来的に自国を防衛し、不安定化の動きに抵抗し、侵略行為を抑止する一助となる、同国に対する安全保障に関するコミットメントに長期的かつパートナーとともに貢献する。EUは、ウクライナが提案する和平案「平和の公式」を支持する。現在、同案のみがウクライナの公正かつ持続可能な平和に向けた包括的枠組みである。

ロシアの武力侵攻は、欧州の平和と安全に対する脅威であるだけでなく、インド太平洋を含む、世界のその他の地域におけるルールに基づく国際秩序の維持を損なうものである。われわれは、国境を変更するための武力の行使や威圧は、21世紀には存在する余地はないと固く信じる。

われわれは、主要7カ国(G7)会合や国連安全保障理事会など国際的な議論の場において、またアジアや欧州における二国間の取り組みを通じて、ロシアの侵略に立ち向かう上で日本が果たしている重要な役割を称賛する。その努力は、ウクライナへの支持を構築し、ロシアの行為に対する国際的な対応を調整する上で不可欠である。

日本はウクライナへの主要な資金援助国のひとつであり、同国の復旧・復興プロセスにおいて中心的な役割を果たすことへのコミットメントを明確に示してきた。これに関連して、2024年2月19日に東京で開催された日・ウクライナ経済復興推進会議が成功裏に終了したことを歓迎する。

ウクライナの未来は、EUの一員となることにある。2023年12月14日、欧州理事会は同国のEU加盟に向けた交渉を開始することを決定した。ウクライナの繁栄は、欧州大陸全体のより広範な繁栄と安定のための前提条件である」

 

原文はこちらをご覧ください(英語)。

 

EUについてさらに知りたい場合は、日本語のオンラインマガジン『EU MAG』をご覧下さい。