EU海軍部隊アタランタ作戦、ジブチにおいて「DORALEH(ドラレ)II」地域訓練を共催
2025年10月26日~30日、ジブチにおいて第2回DORALEH(ドラレ)能力強化訓練が実施された。その主な目的は、西インド洋における海洋安全保障に関わる国や国際部隊・諸機関間の地域間協力、海洋安全保障および能力向上の促進を図ることであった。
同訓練の一環として、参加者の海洋安全保障に関する知識と能力を向上させるため、複数のセミナーや訓練が実施された。
理論に関するセミナー
複数の当局者が出席したジブチ地域訓練センター(DRTC)施設で行われた開幕式の後、海賊対処と法的対応に焦点を当てた法律セミナーから本訓練が始まった。
続く数日間は、海洋安全保障の理論的側面を深掘りする専門家によるブリーフィングなどが行われた。27日(月)は、国連訓練調査研究所(UNITAR)の支援で世界海事大学(スウェーデン・マルメ)のアレフ・ファクリ博士による「ジブチ行動規範(DCoC)」に関するブリーフィングで始まり、連合海上部隊第151連合任務部隊(CTF-151)法務顧問による「海上船舶臨検(VBSS)」の際の記録と証拠をテーマとしたビデオ会議が行われた。
海洋状況把握(MDA)と海上作戦については、連合海上部隊第154連合任務部隊の訓練官が詳細を説明。EUの「インド太平洋における重要海路 (CRIMARIO)」イニシアティブ主導の、海洋連携情報共有プラットフォームIORISを用いた机上演習で、日程前半が締めくくられた。
演習の実践部分は28日(火)に海上演習として実施された。アタランタ作戦旗艦ESPSビクトリア、JS春雨、日本のP3C機、ジブチ海軍の巡視艇1隻、アタランタ作戦特殊作戦チーム、および在ジブチ日本国自衛隊が参加した海賊対策演習で構成された。
参加部隊は相互運用性向上のため、様々な訓練を組み込んだ現実的な想定シナリオに基づく演習で連携を強化。こうした海上活動は、西インド洋における海上安全保障のため、地域・国際部隊間の連携強化に寄与している。
週の終わりには、アレフ・ファクリ博士による港湾保安の法的枠組みと船舶コンプライアンスのコード管理・検証に関する2つのセミナーが開催された。海洋安全手順に関する知識深化のため、パオロ・マルガドンナ司令官が捜索救助(SAR)手順を説明。アタランタ作戦オリオン分遣隊への訪問では、訓練参加者が同作戦の海上哨戒機・偵察機を視察する機会となり、訓練は日本海上自衛隊護衛艦「はるさめ」艦上での閉会式をもって終了した。
海上訓練
今回の共同訓練の実践部分は28日(火)に海上演習として実施された。アタランタ作戦旗艦フリゲート艦「ヴィクトリア」(スペイン海軍)、「はるさめ」、海上自衛隊P-3C哨戒機、ジブチ海軍巡視艇1隻、アタランタ作戦特殊作戦チームおよび在ジブチ日本自衛隊が参加した海賊対処演習で構成された。
全参加部隊は相互運用性向上のため、さまざまな訓練を組み込んだ現実的な想定シナリオに基づく演習で連携。こうした海上活動は、西インド洋における海洋安全保障のため、地域および国際部隊間の連携強化に寄与している。
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