アレクセイ・ナワリヌイ氏の死を受けたEUの声明

19.02.2024 EEAS Press Team

EU NEWS 019/2024

<日本語仮訳>

ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、EUを代表して以下の声明を発表した。

「EUは、ロシアの野党政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の死に憤慨している。その最終責任はプーチン大統領とロシア当局にある。本日、EU外務理事会で妻ユリア・ナワルナヤさんと彼らの子供たち、家族、友人、そして同氏とともに自国のために尽力した全ての人々に対し、深い哀悼の意を表明した。

ロシアは、同氏の急死をめぐる状況について、独立した透明性のある国際的な調査を認めるべきである。EUは、パートナーとの緊密な連携の下、ロシアの政治指導部と同国当局の責任を追及する努力を惜しまず、制裁を含め、彼らの行動に対してさらなる代償を科す。

世界各地で多くの人々がナワリヌイ氏の追悼のために集まっている。ロシアでは、当局が多くの場所でこれを阻止しようとし、数百人が拘束された。彼らは直ちに釈放されなければならない。

ナワリヌイ氏は、ロシアが締約国である化学兵器禁止条約で禁止されている神経剤「ノビチョク」によって暗殺されかけた後、勇敢にもロシアに帰国した。同氏は、政治的な動機に基づく罪でシベリアの厳重な流刑地で複数の刑に服していた。彼の家族との面会は制限され、彼の弁護士は嫌がらせを受け、そのうち3人は2023年10月以降、公判前勾留されている。

EUはこれまでに幾度にもわたって同氏に毒が盛られたこと、また同氏の合法的な政治活動や反汚職活動に対する政治的動機に基づく全ての判決を最も強い言葉で非難し、同氏の即時かつ無条件の釈放を求めてきた。また、ロシアに対し、当局への働きかけも含め、同氏の安全と健康を確保するよう繰り返し求めてきたが、効果はなかった。

ナワリヌイ氏はその生涯を通じ、ロシア全土で反汚職活動に取り組み、驚くべき勇気、祖国と同胞への献身および固い決意を示し、その訴えはロシア各地で多くの人々を魅了した。これこそが、ウクライナに対するロシアの違法な侵略戦争が続いている状況や、3月に行われるロシア大統領選挙の文脈を含め、プーチンとその政権が彼を恐れた理由である。

ナワリヌイ氏の予期せぬ衝撃的な死は、ロシアで加速する組織的な弾圧の新たな兆候である。EUは同国に対し、ユーリ・ドミトリエフ、ウラジーミル・カラ=ムルザ、イリヤ・ヤーシン、アレクセイ・ゴリノフ、リリア・チャニシェワ、クセニア・ファデエワ、アレクサンドラ・スコチレンコおよびイワン・サフロノフを含む他の全ての政治犯を即時かつ無条件で釈放するよう、重ねて要請する」