EU、ジェンダーに関する行動計画で国際的復興の中心に女性・女児の権利を据える

25.11.2020

EU News 332/2020

<日本語仮抄訳>

欧州委員会と欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は本日、EUの全対外行動を通じてジェンダー平等と女性の地位向上を促進するための、野心的な計画を発表した。

女性や女児の権利向上に関して、いくらかの特筆すべき、しかしながら不均等な進展があったものの、2030年までにジェンダー平等を実現し、全ての女性と女児の地位確立の達成に向け順調に進んでいる国は一つもない。さらに、新型コロナウイルス感染症危機の健康上・社会経済的影響は、女性や女児に偏って表れている。例えば非正規や脆弱な分野で働いている女性の比率が高いため、女性の失業率は男性の1.8倍だ。女性の貧困率は、9.1%増加する可能性がある。

これに対応すべく、2021年〜2025年を対象としたEUの新たな「対外行動におけるジェンダー平等と女性の地位向上に関する行動計画(GAP III)」は、女性や女児の地位向上の進展を加速させ、北京宣言と行動綱領の採択から25年の間に達成した進歩を守ることを目指している。

ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、「全ての人々に同じ権利を確保することは、われわれの社会を向上させる。社会をより豊かに、またより安全なものにする。これは、原則や道義的義務を超えた事実だ。女性や女児の参画やリーダーシップは、民主主義、正義、平和、安全、繁栄およびより環境重視の地球にとって欠かせない。この新たなジェンダー行動計画でEUは、ジェンダー平等に向けてより多くの、またより早い進展を目指している」と述べた。

ユッタ・ウルピライネン欧州委員会国際パートナーシップ担当委員は、「ジェンダー平等により強力に関与することは、新型コロナ危機からの地球規模の持続可能な再建と、より公正で包摂的な、より豊かな社会を構築する鍵を握る。女性や女児はこのパンデミックの最前線に立たされており、彼女たちに復興の主導権を与えなければならない。ジェンダー問題に敏感な、対応型の欧州委員会として、われわれは、真にジェンダー間の平等が存在する世界を築くために、EU加盟国や全ての他のパートナーとより緊密に協力していきたい」と述べた。

2021年〜2025年の間のEU対外行動でジェンダー平等を促進

GAP IIIを通じてEUは、国際公約の達成と、誰もが成功する空間のある世界に向けた進展を加速化させるための5つの行動の柱を有する政策枠組みを提供している。ジェンダー平等の促進を、全ての対外政策・行動の優先事項とし、国・地域・多国間それぞれのレベルでステークホルダーと協働するための行程表を提供し、戦略的分野における行動を強化し、各機関が模範となって先頭に立ち、成果については透明性を確保する。

5つの行動の柱の詳細

1)2025年までに対外関係全体を通じた全ての新しい取り組みの85%を、ジェンダー平等と女性の地位向上に貢献させる

2)多国間・地域・国それぞれのレベルで加盟国やパートナーと戦略的ビジョンを共有し、緊密に協力する

3)関与する主要分野に焦点を当て、進展を加速化させる

4)模範を示して先導する

5)結果を測定する

 

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