ウクライナのカホフカ水力発電ダムの破壊を受けたボレルEU上級代表とレナルチッチ欧州委員の声明

06.06.2023
ブリュッセル
Strategic Communications

EU NEWS 094/2023

<日本語仮抄訳>

ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長およびヤネス・レナルチッチ危機管理担当欧州委員は本日、以下の声明を発表した。

 

「ウクライナの重要民間インフラに対するロシアの攻撃は、本日、カホフカ水力発電所のダムを破壊するという前代未聞の水準に達した。EUは、この攻撃を可能な限り強い言葉で非難する。これは、ロシアの残虐行為が新たな次元に至ったことを示すものであり、国際法、特に国際人道法違反の可能性がある。

下流地域での洪水は、ヘルソン市を含む約80もの集落に住む数十万人の市民の生命を危険にさらしている。これらの地域の既に深刻な人道状況をさらに悪化させている。

ダムの水位低下はまた、ザポロジエ原子力発電所の原子炉にとって重要な冷却水へのアクセスにも影響する。この絶望的な行為でロシアは、国際原子力機関(IAEA)理事会およびIAEA総会のこれまでの関連決議およびIAEA事務局長が発表したザポロジエ原発の原子力安全と安心を確保するための5原則に明確に違反し、同発電所の安全およびセキュリティ体制の適切な機能を危険にさらすという無謀な核のギャンブルを続けている。この行為は無責任であり、全く受け入れられない。

われわれは、EUが支援を早急に提供できるよう、ウクライナ当局と連絡を取り合っている。欧州委員会の緊急対応調整センター(ERCC)は、状況を積極的に監視しており、ウクライナの国家非常事態庁とも緊密に連絡を取り合っている。同国は、EU市民保護メカニズム(UCPM)に基づく支援を要請することができる。われわれは、食料や飲料水を含む緊急のニーズに対応する用意がある」

 

原文はこちらをご覧ください(英語)。

 

 

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Peter Stano
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