WHO総会での新型コロナウイルス感染症対策に関する決議案の採択に関する、ボレルEU上級代表とキリアキデス欧州委員の共同声明

19.05.2020

EU News 128/2020

<日本語仮訳>

世界保健機関(WHO)の年次総会(世界保健総会)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関する決議案が採択されたことを受けて、ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長とステラ・キリアキデス同委員会保健・食品安全担当委員は、以下の共同声明を発表した。

「われわれは、世界保健総会においてEUとEU加盟国が提出した新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に対する共同の対策の重要性に関する決議案が全会一致で採択されたことを歓迎する。前例のない時代に開催された同総会には、世界保健機関(WHO)の195の加盟国が参集し、共同の世界規模の対策により新型コロナウイルスに打ち勝つという決意を示した。

ウイルスに国境は無く、われわれの対策もそうでなければならない。多国間主義の強化は、現在かつてなく重要である。本決議は、国連制度の下で連帯と多国間主義に基づく協力を通じて今回の危機に対処することの重要性を強調している。われわれは、今回の危機への対応の指針を示す上で、WHOが指導的役割を果たしていることを称賛する。

本決議は、世界各国、WHO、市民社会や民間部門をはじめとするその他国際組織など、われわれ全員に関わる対策を示している。

パンデミックを終息させる上で、ワクチンへの平等なアクセスが果たす役割は、極めて重要である。世界の保健に関する公益として、ワクチンは、誰もが手頃な価格で入手できるものでなければならない。また、物資や医薬品、治療法が手頃な価格で入手できることも重要である。5月4日、世界のパートナーと共に、EUは、新型コロナウイルス感染症の新しい検出、治療および予防法を誰もが手頃な価格で利用できるようにするため、グローバル誓約会合を開始し、これまでに世界中の支援者から74億ユーロの資金を集めた。われわれは、全ての国やパートナーに対して、Access to COVID-19 Tools (ACT) Accelerator(新型コロナウイルス関連製品の調達迅速化に向けた国際的な取り組み)』に賛同し、『コロナウイルス・グローバル対応』誓約に貢献することをあらためて呼びかける。

世界中の市民が、自身の健康、家族、雇用について心配している。本日採択された決議案では、信頼できる情報の提供を通じた一般市民への働き掛けの必要性や、誤った情報や偽情報の拡散への対策の必要性を認識している。

また本決議では、われわれ全員が取り組みの成果を検証する必要性についても注意を促している。現在の危機から教訓を得て、今後の危機に対する世界の備えを強化する必要があるため、今回のパンデミックの発生と拡大の仕組みに関する独立した調査は重要である。

協力し、団結し、連帯することで、われわれは、今回のパンデミックを乗り越える。今こそ協力する時である。われわれ一人ひとりの健康は、われわれ全員の健康の問題である」

 

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