EU、中国との首脳会談で、複雑かつ重要な二者関係における自身の利益・価値の保護を図る

22.06.2020

EU News 166/2020

<日本語仮抄訳>

欧州連合(EU)と中国は、2020年6月22日に22回目となる首脳会議をテレビ会議形式で開催した。シャルル・ミシェル欧州理事会議長とウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長を伴い、中国の李克強首相と会合した後、習近平国家主席と意見を交わした。

ミシェル議長は、「EUと中国の関係は近年、発展してきている。経済的相互依存度は高く、気候行動、国連の持続可能な開発目標の達成、新型コロナウイルス感染症への対応など地球規模の課題に対して、協力して取り組む必要がある。中国と関与し、協力することは機会であり、必要なことでもある。しかし同時にわれわれは、両者が同じ価値、政治制度もしくは多国間主義に対する考えを共有していないことを認めなければならない。われわれは、確実にEUの利益を守り、われわれの価値を堅持しつつ、明敏かつ自信をもって同国と関与していく」と述べた。

フォン・デア・ライエン委員長は、「新型コロナウイルス感染症のパンデミックと、いくつかの大きな二者間・多国間の課題は、貿易にせよ、気候問題、技術、また多国間主義の保護にせよ、EUと中国のパートナーシップは非常に重要であることを明確に示している。しかしながら、両者の関係がさらに発展するには、真に公平な条件が確立されるよう、より法に基づいた、より相互的な関係となる必要がある」と述べた。

今回のEU・中国首脳会議は、二者関係、地域的・国際的問題および新型コロナウイルス感染症のパンデミックと経済復興といった、包括的な議題に基づき進められた。

EUは、2019年のEU・中国首脳会議で交わされた重要な約束を思い起こし、現時点で進展は限定的であるため、これらの公約を力強く、結果志向な形で実施する必要性を強調した。

 

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