EU、COP27開幕を前に全締約国に対し、温暖化を1.5℃に抑制し、パリ協定を尊重するための具体的な措置を取るよう求める

04.11.2022
ブリュッセル
EEAS Press Team

EU News 215/2022

<日本語仮抄訳>

今週末、エジプト・シャルムエルシェイクで始まる国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)において、欧州委員会は全締約国に対し、温室効果ガス排出量を削減するための緊急行動を取り、パリ協定および昨年の第26回締約国会議(COP26)で採択された「グラスゴー気候合意」の下での公約を尊重するよう求める。

11月7日〜8日には、ウルズラ・フォン・デル・ライエン委員長が欧州委員会を代表し、COP27の公式開幕を飾る世界首脳会議に出席する。11月14日~18日にかけては、フランス・ティーマーマンス執行副委員長がEUの交渉団を率いる。カドリ・シムソン・エネルギー担当欧州委員、ヴィルギニユス・シンケヴィチュウス環境・海事・漁業担当欧州委員およびヤヌシュ・ヴォイチェホフスキ農業担当欧州委員も、COP27のイベントに参加する予定である。

フォン・デア・ライエン委員長は、会議2日目に行われる「エネルギーの未来への投資」に関する首脳ラウンドテーブルに参加する。委員長はシャルル・ミシェル欧州理事会議長と共に、全体会合でEUの共同声明を発表する。また、特に森林や気候に関するパートナーシップやクリーンエネルギーへの移行に重点を置きながら、多くのイベントに参加し、いくつかのパートナーとの二国間宣言に署名する予定である。

COP27において、欧州委員会の交渉団は、この決定的な 10 年間に緩和の野心および実施の規模を緊急に拡大するための「緩和作業計画」の採択を含め、野心的な言葉を具体的な行動に移すため、既存の約束の実施を求めていく。気候変動への適応に関してEUは、「適応に関する世界全体の目標(GGA)」に向けて明確な進展を達成する決意である。昨年のグラスゴー気候合意で強調されたように、自然を基盤とした解決策は、気候変動への適応や生物多様性の保全に向け重要な役割を果たすが、これは今年後半の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)でも主要な議題となる。損失と被害の問題についてEUは、世界各地で気候変動の影響に直面している脆弱な国々の多様なニーズを満たすための効果的な解決策を模索する。EUは、締約国が脆弱な国やコミュニティに対し迅速な資金アクセスや支援の拡大を促進するための最善の方法を議論できるよう、損失と被害の回避・最小化・対処に関する公式の議題項目を設置することを支持する。われわれは、先進国が適応のために提供する資金を2025年までに2019年比で倍増させること、そして、年間1000億ドルという気候ファイナンスに関する目標を達成するため、資金拠出の増加を訴える。なお、EUは2021年に230億4,000万ユーロを拠出しており、安定した、かつ他を圧倒的にしのぐ額を提供している。

原文はこちらをご覧ください(英語)。

 

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