G7外相声明

04.11.2022 EEAS Press Team

EU News 216/2022

<日本外務省仮訳>

1.前文

我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7外相及びEU上級代表は、我々の強い結束及び最も脆弱な人々を含む全ての人の権利を保護するため、ルールに基づく国際秩序を堅持するという我々の確固たるコミットメントを強調する。

全ての国際連合の加盟国は、国際連合憲章に従って、いかなる国家の主権及び領土一体性に対する武力による威嚇又は武力の行使をも慎まなければならない。平和的協力、主権、民族自決、領土一体性等、普遍的に合意され、法的拘束力を持つ基本的原則の侵害は受け入れられない。このような国際法の基本原則の甚だしい侵害の責任を追求するとのコミットメントは明確である。

2.ロシアによるウクライナに対する戦争

我々はまた、ロシアに対し、直ちにウクライナに対する侵略戦争をやめ、全ての軍及び軍事装備を撤退するよう求める。ウクライナのドミトロ・クレーバ外相と共に、我々は、ミサイル並びにイランのドローン及び訓練者による、ウクライナ全土の民間人並びにエネルギー・水道施設等の民生インフラに対する攻撃を含む、ロシアによる最近のエスカレーションを非難する。これらの攻撃を通じて、ロシアは民間人を恐怖に陥れている。民間人及び民生インフラに対する無差別攻撃は戦争犯罪であり、我々は、これら及び人道に対する罪に関する全面的な責任を確保するという我々の決意を改めて表明する。我々はまた、モルドバ領空の侵犯を非難する。

ロシアによる無責任な核のレトリックは受け入れられない。ロシアによる化学兵器、生物兵器、核兵器のいかなる使用も、深刻な結果を被る。我々はまた、ウクライナが放射性物質を含む「汚い爆弾」を準備しているとのロシアの虚偽の主張を拒否する。国際原子力機関(IAEA)による査察は、こうした主張に根拠がないことを確認しており、我々はウクライナの透明性を称賛する。

我々はまた、ロシアによるウクライナのザポリッジャ原子力発電所の継続した占拠及び軍事化、ウクライナ人職員の拉致及び報告されている虐待、並びに同発電所の運用の意図的な不安定化を非難する。我々は、原子力安全及び核セキュリティ保護区域を設定するためのIAEAの取組を支持する。

我々は、ロシアに対してコストを課し続け、また、イランによるロシアへの無人航空機の提供に関して我々の中の複数の国が既に実施したように、モスクワによる侵略戦争に軍事的支援を提供するいかなる国、個人及び団体に対しても経済的コストを課し続ける。

我々は、ベラルーシ当局に対し、ウクライナを標的とするミサイルを発射するためのロシア軍に対するベラルーシ領土の使用許可を含め、ロシアによる侵略戦争を可能にすることをやめるよう、改めて求める。ベラルーシ当局が、ロシアによる戦争にベラルーシをより直接的に関与させる場合、G7はその政権に圧倒的な追加的コストを課す。

我々は、ウクライナが、自国民の苦しみを緩和し、国際的に認められた国境内における主権及び領土一体性を堅持するために必要な財政的、人道的、防衛、政治的、技術的、及び法的支援を引き続き提供するとの、揺るぎないコミットメントを改めて表明する。我々は、ロシアによるいわれのない侵略に直面するウクライナの人々の勇敢さ及び強靭さに敬意を表し、また、ウクライナの越冬対策のニーズを満たすよう支援することにコミットしている。

本日、我々は、ウクライナが重要なエネルギー及び水インフラを修復、回復し、防衛することを支援するためのG7調整メカニズムを設置する。我々は、ウクライナの民間の強靱性を支援することを目指し、フランス及びウクライナが主催する12月13日のパリでの国際会議を楽しみにしている。また、我々は、ベルリンでの10月25日の国際専門家会議の成果を歓迎し、ウクライナの復旧、復興及び現代化に貢献することに引き続きコミットしている。我々は、必要とされる限りウクライナと断固として共にある。

我々は、世界の報道の自由及び信頼できる情報へのアクセスへの支持を再確認する。我々は、生物兵器に関する虚偽の主張を含むロシアの偽情報に引き続き対抗する。我々は、協調して対応するためのG7即応メカニズムの能力を強化している。

10月11日のG7首脳声明を想起しつつ、我々は、ゼレンスキー大統領がウクライナの領土一体性、主権の尊重及び侵略から自国を守るための正当な権利に基づく公正な平和の準備を整えていることを歓迎する。ロシアが戦争をエスカレートし続け脅迫及び偽情報を継続する中、ロシアによる交渉の呼びかけは信用できない。

3. ウクライナに対するロシアの戦争の世界的な結果

ロシアによる侵略戦争は、最近の最も深刻な世界の食料危機及びエネルギー危機の要因である。我々は、エネルギー及び食料輸出を、地政学上の道具として利用しようとするロシアの試みを非難する。その結果生じている混乱が、世界中の脆弱な国々及びコミュニティに大きな打撃を与えており、気候危機と新型コロナウイルス感染症の大流行、及び既存の紛争によって引き起こされた既にある悲惨な状況を悪化させている。我々は、緊急なニーズへの対処及び強靭なシステムに対する中長期的な投資の双方により、世界経済の安定及び国際的な食料・栄養・エネルギー安全保障へのロシアによる侵略戦争の影響の緩和を支援するために、G7の間やそれを超えた協調を継続する。

我々は、世界の食料価格を低減した黒海穀物イニシアティブ(BSGI)の期間延長を求める国連事務総長の呼びかけを強く支持する。我々は、ロシアに対して、国連事務総長による呼びかけを聞き入れるよう強く求める。G7はまた、食料安全保障のためのグローバル・アライアンス(GAFS)やEU主導の連帯レーンを含む他の極めて重要な国際的なイニシアティブを推進している。我々はまた、最も脆弱な人々に肥料を届けるための我々の作業を加速する。我々はまた、より持続可能で強靱かつ包摂的な食料システムを世界的に促進することにコミットし、G20に対し、これらの取組を支援するよう要請する。

我々は、エネルギー市場の変動を減少させることとなる産油国による生産の増加を引き続き奨励する。我々は、今後数週間のうちに、海上輸送されるロシア産石油に対する上限価格設定の実施を完了する。

4.グローバルな課題

我々は、増大するグローバルな課題に直面する中で国連をより効果的にするとの観点から、国連を強化し現代化する必要性を再確認し、また、我々は、国連事務総長の「我々のコモンアジェンダ」のビジョンへの支持を表明する。

我々は、より安全で、より安定し、より安心できる世界に向けて、軍備管理、軍縮及び不拡散の取組を強化している。我々は、大量破壊兵器及びその運搬手段の開発に使用される可能性のある物質、技術及び研究に関し、国際的な輸出管理レジームを通じたものを含め、輸出管理を強化することにコミットしている。この文脈で、我々は、インドの原子力供給国グループへの早期加盟を支持する。

我々はまた、G7及びその他の国々において、経済安全保障上の課題に関するものを含め、我々の連携及び協力を引き続き強化するとともに、経済的威圧行為に立ち向かう。

我々は特に、「債務支払猶予イニシアティブ(DSSI)後の債務措置に係る共通枠組」を通じた成果を迅速に確保することにより、債務の透明性を高め、債務の脆弱性に対する解決策を見出すとの我々の意図を再確認する。

連結性に対する地政学的かつグローバルなアプローチを強調し、我々は、今後5年間で最大6,000億米ドルの官民投資を動員することを含め、世界インフラ・投資に関するG7パートナーシップ(PGII)を実施するというコミットメントを新たにした。

5.イラン

我々、G7メンバーは、人間の安全保障及び普遍的人権が尊重され、保護される未来に向けたイランの人々の根本的な希求への支持を表明する。

我々は、イランのいわゆる「道徳警察」による逮捕後の、若いイラン人女性“ジーナ”・マフサー・アミーニの非業の死を非難する。

我々はさらに、平和的な抗議活動の参加者及び子どもへの、残酷かつ不均衡な実力の行使を非難する。我々はイラン当局に対し、市民的及び政治的な権利に関する国際規約(ICCPR)を含む、国際法の下での国際法の義務を遵守するよう強く求める。

我々は、全てのイランの人々が情報にアクセスできる権利を提唱し、インターネット及びソーシャルメディアの遮断によるものを含む、イラン政府による市民空間及び独立したジャーナリズムの侵食や、人権擁護者を標的とすることを非難する。

我々は、イラン当局に対し、関連する国際人権条約の下で与えられる普遍的な権利を尊重し、女性を平等に扱うよう強く求める。

我々はまた、イラン当局に対して、最近逮捕された抗議活動の参加者、子供、ジャーナリスト及び人権擁護者を含む、不当に拘束された者たちを解放し、人権侵害を行った者たちの責任を追及することを求める。

我々は、イラン当局の責任を問うための全ての利用可能な外交的措置を引き続きとる。我々は、イランに対して、関連する国連人権特別手続マンデートホルダーのイランへのアクセスを認めることを呼びかける。

我々は、イランによる二重国籍者及び外国人の不当な拘束の慣行を強く拒絶し、イランに対して、政治的利益を期待したそのような不当な拘束というおぞましい慣行をやめるよう要請する。

我々は、176人の無辜の市民を殺害したイランによるウクライナ国際航空752便の撃墜に関して、その責任を追求する国際的な取組を強く支持する。我々は、イランに対してその国際的な法的義務を遅滞なく履行するように求める。

我々は、イランが中東及びその周辺を不安定化させる活動を継続していることを強く非難する。これは、イランによる弾道ミサイル及び巡航ミサイル並びに無人航空機(ドローン)による活動並びにそのような先端兵器の国家及び非国家主体への移転を含む。このような拡散は、地域を不安定化させ、既に高まっている

緊張をエスカレートさせるものである。我々は、イランに対し、暴力的な国家主体及び非国家主体並びに代理団体に対する支援を停止し、国連安保理決議第2231号を含む、全ての関連する国連安保理決議を完全に遵守するよう求める。我々はまた、国連安保理決議第2231号に対するロシア及びイランのあからさまな違反の責任を追及する国連における取組も支持する。

我々は、イランが核兵器を開発してはならないとの明確なコンセンサスを改めて表明する。G7はイランの核エスカレーション及びNPTの保障措置協定に関するIAEAへの不十分な協力に対処するため、他の国際パートナーも含め協力を続ける。

我々は、信頼に足る民生上の正当性がないイランの核計画の継続した拡大について引き続き深く懸念する。我々は、イランに対して、方向転換し、これ以上遅延することなく、核不拡散の分野における法的義務及び政治的コミットメントを果たすよう要請する。

我々は、JCPOAへの復帰に関する何か月にもわたる真剣な交渉にもかかわらず、イランがまだ必要な決定を行っていないことに留意する。

6.北朝鮮

我々G7メンバーは、複数の大陸間弾道ミサイルの発射及び日本の上空を通過する形で無謀に発射された2022年10月4日の中距離弾道ミサイル発射を含む、2022年に北朝鮮により行われた前例のない一連の不法な弾道ミサイル発射を強く非難する。これらの発射は、北朝鮮による弾道ミサイル能力の拡大への継続的な取組を示すものであり、複数の国連安保理決議のあからさまな違反である。

我々は、北朝鮮が核兵器及び既存の核計画、並びにその他の大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で、全ての関連する国連安保理決議に従い放棄するとの我々の要求を改めて表明する。

我々は、北朝鮮に対し、不安定化をもたらす活動を直ちに停止し、関連の国連安保理決議の下での全ての法的義務並びにNPT及びIAEA保障措置を完全に遵守するよう強く求める。

いかなる核実験又はその他の無謀な行為も、迅速で、結束した、力強い国際的な対応により対処されなければならない。

我々は、全ての国に対し、全ての国連安保理決議を完全かつ効果的に履行し、制裁回避行為を注意深く監視し、防止し、及び処罰するよう求める。我々は、北朝鮮に対して、更なるエスカレーションを停止し、その不法な核・弾道ミサイル計画に関して意味のある外交に関与することを求める。

我々は、朝鮮半島の恒久的な平和という目標に向け、関連する全てのパートナーと共に取り組むこと、及びルールに基づく国際秩序を堅持することに引き続きコミットしている。我々は、北朝鮮への人道支援のために全ての新型コロナウイルス関連の制裁免除要請を迅速に承認した国連安保理北朝鮮制裁委員会(1718委員会)の取組を称賛する。

我々は、北朝鮮に対し、適切かつ合理的な新型コロナウイルスの規制に沿って、国連及び外交のためのアクセスの再構築を認めるよう求める。

我々は、北朝鮮の組織的な、広範な、かつ深刻な人権侵害を引き続き非難し、北朝鮮に対し、全ての関連する国連機関と協力し、拉致問題を即時に解決することを強く求める。

我々は、人々の福祉よりも不法な大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画を優先するとの選択の結果もたらされた北朝鮮の人道状況について、引き続き重大な懸念を有している。

7. インド太平洋

我々、G7メンバーは、包摂的で法の支配に基づき、人権及び基本的自由の保護、民主主義の原則、透明性、領土一体性、並びに紛争の平和的かつ包摂的な解決に基づく自由で開かれたインド太平洋を維持することの重要性を改めて表明する。

我々は、ルールに基づく国際秩序の保護と促進、地域の連結性の向上、自由で公正な貿易の強化、国家の強靱性の向上、包摂的な経済成長の支援、世界的な健康安全保障の促進、気候危機と生物多様性の喪失への対処にコミットしている。

我々は、地域の国々と協力する意図及びASEANの一体性と中心性への支持を再確認するとともに、「インド太平洋に関するASEANのアウトルック」(AOIP)に沿った具体的協力を追求することにコミットする。

8. 東・南シナ海

我々は、東シナ海及び南シナ海並びにその周辺における状況を引き続き深刻に懸念する。我々は、緊張を高め、地域の安定とルールに基づく国際秩序を損なういかなる動きにも強く反対する。

我々は、国連海洋法条約(UNCLOS)の普遍的かつ統一的な性質を強調し、海洋における全ての活動を規律する法的枠組みを規定する上でのUNCLOSの重要な役割を再確認する。

我々は、仲裁裁判所により下された2016年7月12日付けの仲裁判断は、重要なマイルストーンであり、法的拘束力を持ち、紛争の平和的解決のための有用な基礎であることを改めて表明する。我々は、紛争の平和的解決に関する国連憲章の原則を堅持する必要性を再確認する。

9.中国

我々、G7メンバーは、特に平和及び安全、グローバルヘルス、気候及び生物多様性の危機並びに、天然資源の保全といったグローバルな課題に関して、可能かつ我々の利益になる場合には、中国と建設的な協力を行うことを目指すこれらの課題は、ルールに基づく国際秩序の中での協力を通じてのみ、成功裏に対処することができる。

我々は、中国に対し、紛争の平和的解決に関する国連憲章の原則を堅持し、脅迫、威圧、威嚇又は武力の行使を控える必要性を想起させる。我々は、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する。

我々は、台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認し、両岸問題の平和的解決を求める。台湾に関するG7メンバーの基本的立場(表明された「一つの中国」政策を含む。)に変更はない。

我々は、新疆ウイグル自治区及びチベットを含め、報告されている中国の人権侵害に関し、懸念を引き続き表明する。我々は、香港の権利、自由、自治の継続的な侵食に対する懸念を改めて表明し、中国に対して国際的なコミットメント及び法的義務に従って行動するように求める。

我々はまた、中国に対し、外交関係に関するウィーン条約及び領事関係に関するウィーン条約に基づく義務に従って他国の外交官を扱うよう要請する。

10.中央アジア

我々、G7メンバーは、ロシアのウクライナに対する侵略戦争の経済的・地政学的影響から、地域の安全保障問題、気候変動に至るまで、中央アジア5か国が直面する複数の課題について議論した。

我々は、中央アジア諸国との協力を強化し、社会経済開発、人権の尊重、国内・制度改革の実施及び地域の安全保障に関して各国政府及び国民と協力していくことにコミットしている。我々はまた、連結性、輸送及び貿易関係を促進するため、中央アジア諸国と共に取り組むことを提案する。

11.アフリカ

我々、G7メンバーは、アフリカ大陸の地政学的・戦略的重要性を強調する。アフリカのパートナーとの緊密な協力は、引き続き極めて重要である。

アフリカは、気候危機、進行中の新型コロナウイルスのパンデミック、食料不安、栄養不良、エネルギー不安、ロシアによるウクライナに対する戦争の社会経済的影響、民主主義の後退、大規模な世界経済の逆風といった複数のグローバルな危機から特に影響を受けている。

我々のアフリカとの協力は、AUアジェンダ2063、持続可能な開発のための2030アジェンダ、パリ協定の目標、及び国連憲章の原則によって導かれている。

我々は、強靱で持続可能な農業・食料とエネルギーシステムを構築し、気候変動を緩和し、偽情報に対応するために、アフリカのパートナーと協働し続ける。

我々は、「G7グローバル・インフラ投資パートナーシップ」を通じたものも含め、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」に基づいて、アフリカにおける質の高いインフラへの投資に引き続きコミットする。我々は、持続可能な市場に支えられたワクチンその他の不可欠な医薬品の地域の製造能力を支援し続ける。

我々は、サヘルにおいて、人道アクセス含め、政治、治安及び人道の状況が継続的に悪化していることを深く懸念している。我々は、マリにおけるテロリスト集団とロシア関連のワグネルグループ部隊によるものを含む民間人に対する人権侵害に驚愕している。

我々は、人権侵害に責任がある全ての者の責任を求める。我々は、マリと大陸のその他の場所におけるロシア関連の部隊のプレゼンスの高まりとその潜在的に不安定な影響について全般的な懸念を表明する。我々は、マリ、ブルキナファソ及びギニアにおいて、自由で公正な選挙の適時の準備及び移行憲章の包括的な実施を求め、この観点から、西アフリカ諸国経済共同体とアフリカ連合に対する我々の支持を再確認する。

我々は、チャドにおける抗議者に対する暴力と、暫定政府がアフリカ連合の原則及びコミュニケを遵守していないことを非難する。我々は、サヘル諸国の住民、特に若者を支援するとの我々の強いコミットメントを改めて表明し、テロの脅威に対する彼らの強靱性を包括的に強化するために、ギニア湾沿岸国の人々及び政府と協働する必要性を強調する。

我々は、アフリカの角における平和及び安全、並びに、ソマリアにおける飢饉を含め、また、女性と女児に特に大きな影響を与える深刻な人道上のニーズについて、引き続き懸念する。我々は、これらの課題に対処するため、地域の国々、機関及び市民社会と協働する。我々は、エチオピア北部における紛争を解決するため、アフリカ連合、南アフリカ及びケニアの仲介によりエチオピア政府とティグライ人民解放戦線(TPLF)との間の合意が達成されたとの発表を歓迎する。

我々は、エチオピア政府及びTPLFに対し、このコミットメントを完全に尊重し、履行するよう強く求める。人権侵害及び残虐行為は即時に停止されなければならない。これらの侵害の加害者は責任を負い、生存者及び被害者は正義を得なければならない。

我々は、ソマリアが新政府を選出したことを称賛し、ハッサン・シェイク・モハムッド大統領の改革優先事項とアル・シャバーブとの闘いを支援するために、一致した国際的な取組を求める。我々は、10月29日のアル・シャバーブによる民間人への卑劣な攻撃を断固として非難し、被害者の家族に心からの哀悼の意を表明する。スーダンにおける軍事政権奪取後1年以上が経過し、我々は、軍に対し、政治から撤退するというコミットメントを尊重するよう引き続き強く求め、スーダン国民からの幅広い支持に基づく、文民主導の政府への復帰についての我々の要求を維持する。

我々は、コンゴ民主共和国東部において進行中であり、激化している暴力及び紛争、並びに大湖地域における地域的な緊張を一層懸念している。我々は、武装勢力である3月23日運動(M23)による自制を強く求め、現在の攻撃の停止を求める。我々は、「東アフリカ共同体 コンゴ民主共和国和平プロセス」の枠組みにおける武装集団との対話やアンゴラによる地域調停を通じることを含む、地域の更なる安定のための最近の動きを歓迎する。我々は、全ての関係者がこれらの取組に誠実に参加し、国際法に従い行動することを求める。我々は、広範で多分野にわたる国境を越えた協力のみが、地域に持続的な安定をもたらすことができると確信している。

12. ハイチ

我々は、ハイチにおける人道的状況の悪化、特にコレラの流行拡大並びに食料及び燃料危機の深刻化に深い懸念を表明する。我々は、武装集団及び彼らを支援する人々による暴力を非難する。彼らは人々を恐怖に陥れるとともに、人質にしている。我々は、現在の治安及び人道危機を迅速に解決するための全ての取組を支援するとのコミットメントを改めて表明する。我々は、ハイチの全ての関係者に対し、秩序と安全の回復し、市民の緊急のニーズに応えるために必要な援助の提供を可能にするよう求める。我々は、国連安保理が10月21日に制裁レジームを採択したことを称賛する。我々は、自由で公正な選挙を可能にするために必要な条件を確立することの重要性を再確認する。

原文はこちらをご覧ください(英語)。

Nabila Massrali
Spokesperson for Foreign Affairs and Security Policy
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