EU、アジアにおける、アジアとの安全保障関与を強める

<日本語仮抄訳>
アジアが世界の安定と安全にとって重要で、それゆえに欧州の利益にとって重要であることを鑑み、欧州連合(EU)はアジアにおける、アジアのパートナー諸国との安全保障協力を強化する。優先分野は海洋安全保障、サイバーセキュリティ、テロ対策、共通安全保障・防衛政策と平和維持活動、ハイブリッド脅威、紛争防止、および化学・生物・放射性物質・核兵器の拡散である。これらの分野における共通の利益を具体的に促進させるべく、主要パートナーと実験的なプロジェクトの開発に着手する。
5月28日にブリュッセルで会合したEU加盟国の外務大臣は、地球規模の安全保障を促進し、アジアにおける安全保障の強化への関与の増大のためにアジアのパートナーとの協力を強めることに合意した。EUの取り組みは、ソマリア沖での海賊対処に向けた共同活動など、既に良い結果をもたらしているアジアのパートナーとの既存の安全保障関連の協力を土台とする。
フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、「欧州の人々とアジア人が互いを遠い友人と考える時代は終わった。双方の経済交流を維持し、強化するには地球規模の安全保障についても協力しなければならない」と述べた。
アジアにおいて、アジアと安全保障協力を強化する目的は、その市民を守り、人権の保護を含むEUの礎となっている基本的価値を擁護し、ルールに基づく国際体制を維持し、多国間主義を促進し、地域の安定に貢献し、暴力的な紛争を防ぎ、EUの経済的利益を確保することにある。
EUの運用的能力を強化するには、能力構築および国連平和維持活動・合同演習を含む訓練計画などを通じた、個々の必要に応じたアプローチでアジアのパートナーとの安全保障関連の関与を高めるため、EUの諸機関と加盟国の間の調整を拡充する必要がある。
ソマリア沖の海賊対処活動や海洋安全保障に関する対話など、いくつかの分野においては、複数のアジアのパートナーとの間で良い取り組みが既に始まっており、具体的な成果を挙げている。次の一歩として、インド、日本、韓国、ベトナムおよびインドネシアと実験的プロジェクトを開発する。それを受け、よりアジア地域におけるより多くのEUの優先的パートナーとの間でさらなる、個々の状況に応じた協力を進めていく。